NHKでドラマ主演を飾り、東京ガスや伊右衛門プラスなどCMでも見ない日はない売れっ子となった女優が伊藤沙莉だ。昨年はNHKの連続ドラマで主演を張り、21年はさらなる飛躍が期待されるが、実は無名時代に「獣道」(17年、サードウィンドウフィルムズ)でマッパ姿を解禁していたのである。映画では義父を商店街の路地に連れ込むと、突然ドレスをずり下げる。
「お父さん! 私はあなたの娘だから好きにしていいんだよ!」
映画評論家の秋本鉄次氏が言う。
「アバンギャルドな役柄など、思いきった演技のできる貴重な若手女優ですね」
まさか、と思えるシーンを演じたのは伊藤だけではない。今や連ドラに欠かせない清野菜名は、下積みの長い苦労人として知られる。転機となったのは「TOKYO TRIBE」(14年、日活)での、鮮烈な姿だった。鈴木亮平にナイフで下着を切り裂かれ、一糸まとわぬ姿がさらされる。
ほかにも水谷豊・伊藤蘭夫妻の娘である趣里や、大ヒット映画「天気の子」の主題歌で紅白歌合戦に出場した三浦透子など、「まさかあの美女がここで!?」と驚かされる至宝シーンは数多い。2月9日発売の「週刊アサヒ芸能」2月18日号では、こうした「意外性の歴史」を、昭和・平成・令和にまたがって特集しており、貴重なフィルモグラフィーとなりそうだ。