平日昼、フジテレビの「ぽかぽか」を見ている人は、はたしてどれほどいるのか。私の周りでは皆無だ。4月から放送時間が2時間に短縮されたが、ギュッと凝縮というよりは、さらにスカスカという感じで、見るに堪えない。それでもいつか、生放送ならではの面白さが出てくるかと注目してきたが、さすがにもう限界だ。
どこかのフジテレビ御用達記者が「ぽかぽか」は令和の「笑っていいとも!」だ、などと書いていたが、共通するのは時間帯のみ。中身はあちらの方がたった1時間なのに、どれだけ充実していたか。横澤彪に怒られろ、だ。
「いいとも!」の目玉はなんといっても「テレフォンショッキング」。タモリが日替わりゲストとトークを楽しむものだ。タモリの人間力があればこそ、楳図かずお、ヨネヤマママコ、大島渚、小沢昭一、永六輔、愛染恭子、忌野清志郎、岡本太郎、米長邦雄など、様々なジャンルのひとクセもふたクセもあるゲストとも、対等にやり合えたと思う。
初期の頃は「友達の友達はみな友達だ!」と、ゲストが友達を紹介する形をとっていたが、今見てもなんと豪華な顔ぶれか。泰葉が電話をかけ間違えて素人ゲストが3人続いたり、有吉佐和子が番組ジャックするなどというアクシデントも、今となっては懐かしい。
一方の「ぽかぽか」にも「ぽいぽいトーク」というのがあり、ハライチ・岩井勇気と神田愛花がゲストに対し「○○っぽい」というイメージを書く。で、ゲストがそれに○×札を出し、トークを広げるつもりなのだろうが、まったくもって盛り上がらない。そもそも肝心のゲストも、新ドラマがスタートした4月はまだ番宣がらみでそこそこ豪華だったが、それ以外のショボさときたらもう…。
5月8日からの週など、月曜=加藤綾菜&鈴木奈々、火曜=MEGUMI、水曜=ベッキー、木曜=田中みな実、金曜=成田悠輔と、特に好んで話を聞きたいとは思わない人選で、正直言って「○○っぽい」かどうかなど、どうでもいい。
気持ちが悪いのは、岩井を喜ばせるいくつかのコーナーで、ネコと戯れる「世界一かわいいネコちゃん連れてきて」や、岩井とおなじマザコンタレントたちがお母さん好きをアピールする「あつまれ!お母さん大好き党」。
そして最も気色が悪いのが「イケメン大集合!箱の中身はなにイケメン?」というコーナーだろう。箱に入ったイケメンの顔を、岩井が触りまくるものだ。岩井の歪んだ性欲(は言いすぎか)を満たすために番組を使うなど、言語道断。こんな番組はとっととヤメて、「いいとも!」の再放送を流してくれた方がよっぽど嬉しい。
(堀江南)