執行猶予期間が明けて、「薬物芸能人」たちが表舞台に返り咲いている。その一方、水面下では相変わらず有名人が次々と薬物事犯で検挙されていた。芸能界の薬物汚染拡大と、その捜査最前線で起きている実態に切り込んでいくと──。
角界でノシ上がっていくヤンキー力士の姿を描いたNetflix配信ドラマ「サンクチュアリ-聖域-」。世界各国で驚異の再生回数を叩き出しているが、同作で異彩を放っているのがピエール瀧(56)だ。映画ライターが解説する。
「主人公が所属する相撲部屋の親方を演じています。札束をチラつかせて弟子をスカウトするシーンなど、随所に腹黒い演技を見せて作品にリアリティをもたらしています」
ピエール瀧は19年3月にコカインを使用した疑いで逮捕され、同年6月に有罪判決を受けた。執行猶予期間はすでに満了していることもあって、
「地上波はしばらく“出禁”でも、映画やネット配信の作品からオファーがバンバン舞い込みそう。伊勢谷友介(46)も今年の暮れに執行猶予明けとなり、来年3月公開予定の映画で俳優復帰する見込みです」(前出・映画ライター)
薬物芸能人が次々と復帰する中、5月10日に東京地裁で人気ミュージシャンの初公判が行われた。裁判ウオッチャーが解説する。
「覚醒剤取締法違反で逮捕されたのはA被告。これまで3枚のアルバムをリリースした有名バンドのギタリストで、客演も多い。法廷では、クスリに手を出したきっかけについて、『コロナ禍でソロデビューの話がなくなって‥‥』と証言していました。実名報道はされていませんが、珍しい名字なので、すぐに彼だとわかりました」
実際、クスリでパクられても報道されるのは氷山の一角。逮捕、起訴後も何食わぬ顔で地上波に出演していたミュージシャンもいるようで、
「ラッパーのBは昨年秋に大麻所持で逮捕され、12月に初公判を迎えました。どのメディアも報じないどころか、今年1月放送の音楽番組に堂々と出演していたのです。さらに驚くことに、彼は前科持ちで執行猶予中の身でした。通常は執行猶予が取り消され、実刑として上乗せされるのですが、控訴して時間を稼いでいるのか、まだシャバにいるようです。よほどいい弁護士を雇っているのでしょう」(前出・裁判ウオッチャー)
薬物汚染は水面下で拡大の一途だ。5月15日、かつて五輪強化選手だったスケートボードの池田大亮容疑者(22)が大麻取締法違反(所持)の容疑で逮捕されていたことが判明。元警視庁刑事で犯罪ジャーナリストの北芝健氏は言う。
「昔と変わらず、厚労省のマトリと警察の組織犯罪対策課が互いにシノギを削って証拠集めに奔走しています。今は中国のスパイ対策など公安ネタが優先事項となって、なかなか逮捕まで踏み切れませんが、大物の1人や2人はいつでも検挙できる状況。私の見立てで7月、サミットが終わって国際情勢が落ち着いてくれば、センセーショナルな大捕り物のニュースが舞い込んでくるでしょう」
では、次に逮捕される芸能人は誰か。薬物事情に詳しい芸能プロ幹部が「要注意リスト」を明かすには、
「かねてから業界内でヤバいと言われているのが歌姫のX。足にタトゥーを入れていて、この模様が薬物常用を示すサインだともっぱら。超人気俳優を夫に持つYにもクスリの噂は絶えない。体調不良でしばらく入院していたZも実際は“ヤク抜き”が本当の目的だったという話もある。最近、出回るクスリは不純物も多くて、内臓をやられるケースが珍しくない。顔色を見ればすぐにわかるよ」
果たして、捜査の網にかかる芸能人は──。