急ピッチで調整する巨人・中田翔に懸念の声が上がっている。5月4日のヤクルト戦の走塁中に右太腿裏の肉離れを起こし、倒れ込むように二塁ベースに到達。肩を担がれてベンチに下がると、そのまま登録を抹消された。医師の診断では、完治まで最短6週間ということだったが、5月24日の3軍戦で実戦を積み、5月25日に1軍に復帰する。わずか3週間というスピードだ。スポーツ紙デスクが首をひねる。
「復帰を急ぎすぎています。早く戻りたい気持ちはわかりますが、完治には至っていません。肉離れは再発しやすい故障。じっくり治さないと、取り返しのつかないことになります。幸いにして、巨人は秋広優人と門脇誠がハマッている。勝負の夏に向け、今は治療に専念して安静にすべきですが…」
5月21日の巨人・中日戦(東京ドーム)の試合前には顔を出して、原辰徳監督ら首脳陣と調整の具合についての話し合いを行った。外科的治療だけでなく、ハリや電流器、酸素カプセル、温水浴などを駆使し、超人的速さで仕上げているという。前出のスポーツ紙デスクは、
「復帰しても右太腿をかばってプレーすれば、古傷の左膝や腰を痛めるおそれがあります。5月30日から始まる交流戦では、守備の負担がかからない指名打者としての出場もできる。それだけに、なるべく早く回復させたいのでしょう」
離脱前は打率3割1厘、7本塁打、15打点と絶好調だった。球宴ファン投票の第1回中間発表では、セ・リーグ一塁手部門で2位と、人気も高い。超速仕上げが吉と出るか、凶と出るか。