定位置剥奪危機の巨人・坂本勇人がなんと、危険を承知で、あの中田翔への弟子入りを画策しているという。
ベテランのプロ野球遊軍記者は、現在の坂本の置かれている状況を、次のように語る。
「WBCのメンバーからお呼びがかからなかったことでも分かるように、もう昔の坂本ではありません。とにかく打球が前に飛ばない。3月4日の韓国サムスンとの練習試合では、本塁打を放ったものの、これは出会い頭の一発で、守備の衰えも明らか。このままなら、開幕のショートはドラフト4位の門脇誠でしょうね」
原辰徳監督は現在のところ、坂本のプライドを推し量っているのか「門脇と競わせるというものではない」と話しているが、本音は別だろう。
今季は成績次第で監督自身の進退問題も浮上しかねない、大事なシーズン。しかも昨年、中絶スキャンダルを起こし、球団のイメージダウンの要因となった坂本と心中する気は、さらさらない。
「ショートのポジションを追われれば、一塁か三塁で勝負するしかない。でも一塁には昨シーズン後半に復活した中田がおり、三塁には5年連続30本塁打の岡本和真がいる。今のところ、出る幕はないですね」(スポーツ紙デスク)
そうなれば、レギュラーを追われた坂本が1軍として生き残るには、代打の道しか残されていない。ところがこれも、今季は長野久義が広島から復帰。ソフトバンクから熱男・松田宣浩という実績あるベテラン勢力も加わり、代打陣の層は厚くなっている。坂本としては、以前のような飛距離を取り戻して、原監督にアピールするしか手がない。そのため、中田の打撃理論を取り入れ始めているというが、それこそ危険な兆候だ。
「よく中田にアドバイスを求めているようですが、中田と坂本では、そもそもの体格が違う。100キロを超す重量級の中田の打撃をマネすれば、体への負担が間違いなく増すことになります。昨季、右ヒザの故障や腰痛で1軍登録抹消されているだけに、さらなる体への負担は命取りになりかねない。でも、リスク覚悟でやるしかないところまで追い込まれているのでしょう」(前出・遊軍記者)
坂本の通算安打は現在、2205本。かつては張本勲氏に続く史上2人目のNBP3000安打も期待されたが、このままでは2500安打も怪しくなってきた。
(阿部勝彦)