球界を震撼させるゲス不貞トラブルの火も消えやらぬうちに、23年シーズンもセ・パ交流戦に突入。年に1度だけ顔を合わせる遺恨対決もあれば、各球団が抱える爆弾案件もあふれ出て、いずれも火消しに躍起なのである。
早くも運命は司法に委ねられた。5月23日、警視庁麻布署が西武の山川穂高(31)を強制性交容疑で書類送検した。スポーツ紙デスクが解説する。
「昨年11月に、知人女性を都内のホテルに連れ込んで性的暴行を加えた疑いがかけられています。被害女性の膣内や下半身から出血があり、当初は強制わいせつ致傷として被害届が提出されていた。一方、今回の容疑はいわゆる“レイプ”にあたる『強制性交』に変更され、検察に起訴するかどうかの判断を任せる『相当処分』で送検されている。互いに異なる主張をしていた『性交に合意があったかどうか』の部分に焦点が絞られることになった」
その背景には山川の特異な趣向が見え隠れしていた。西武球団関係者が耳打ちする。
「一部の報道で、体のデリケートな部分を手で強く触ってケガをさせたなどの憶測ばかりが飛び交っていますが、実は無理やり大人の玩具を用いたことが一番の問題なのだと聞きました。被害女性の交際相手まで現れて、事態は混迷を極めています」
いずれにしても、司法判断を待つまでもなく、野球選手人生でコツコツ築いてきた和製大砲の地位と子煩悩な愛妻家のキャラクターは崩壊したも同然だ。もはや球界追放もやむなしの状況だが、「実は、一度は示談に持ち込む流れだったんです」と、先の西武球団関係者が前置きしてこう続ける。
「相手に被害届を出される前に、山川と球団の顧問弁護士、球団職員、被害女性の女性弁護士が集まって話し合いの場が設けられた。球団側は事前の打ち合わせで1億円の示談金を提示する意向を固めて、山川にも言い含めていたそうです。しかし、いざ席に着くと『やっぱり納得できません』と山川本人が不服を申し立ててひっくり返してしまった。同席した球団職員が場を収めようとしたのですが、『僕は西武じゃなくても野球できますからね』と悪態をつく始末で、破談になってしまいました」
口は災いの元──。そもそも山川の言わずにはいられない性格は、チームメイトとの間にもシコリを残してきた。球界OBが明かす。
「舌が回るだけに余計な一言でひんしゅくを買っていました。私生活の乱れをあるコーチに注意された時には『あなたはホームラン通算何本打ったんですか?』と挑発的に反論する場面もあった。それでも、許されてきたのは主砲としての成績を残していたから。今回の騒動にしても、同情しているのはオリックスにFA移籍した森友哉(27)や日本ハムにトレードで放出された山田遥楓(26)ら数人の山川シンパのみ。むしろ『せいせいしましたよ』と吐き捨てる選手のほうが多い」
そんな山川を微妙な胸中で見ていそうな元同僚がいる。昨季途中から広島に加入した秋山翔吾(35)だ。
「西武のオファーを蹴って広島を選んだ理由として『契約年数ですね』と明かしていましたが、実際は西武の提示金額が1億円に満たなかったからです。それに古巣の主力選手との不仲も否定できない。喫煙所でダベッてばかりいた山川らと相容れなかっただけでなく、生真面目なベテランの栗山巧(39)とも折り合いが悪かった。日本復帰を表明しても、秋山に連絡を入れる西武の選手は誰ひとりいなかったようです。菊池涼介(33)や會澤翼(35)がラブコールを送った広島とは大違い。交流戦では、複雑な気持ちを抱いて古巣を迎え撃つことでしょう」(スポーツ紙デスク)
5月27日時点(以下同)で、打率は3割6分9厘を記録。出場停止中の山川を尻目に大活躍を見せるのか。対して西武は主砲不在の中、ただひとりホームラン王争いに加わり奮闘していた中村剛也(39)も脇腹の違和感のため抹消。マツダスタジアムでの対広島戦ではもはや打つ手なしか。