實松、大田とは逆に、日本ハムに対して少なからず遺恨を抱いているのが、中日の谷元圭介(33)。昨年の移籍期限となる7月31日、日本ハムから金銭トレードで中日へ移籍。あまりに急なトレードだったため、本人も「気持ちを整理するのが難しい」と動揺を隠せなかったほどだ。
「日本ハムのドラスティックな経営がよく表れたトレードでした。谷元は、トレード直前の6月に国内FA権を獲得していました。その権利を行使してオフに移籍すれば、移籍先の球団から日本ハムに移籍金が入りますが、中日との金銭トレードで得られる額のほうが多いと判断したようです」(球界関係者)
その谷元は今季も中継ぎとして勝率10割と活躍(5月24日現在)。古巣との初対戦でどんな投球を見せるか注目される。
中日と日本ハムの間には岩瀬仁紀(43)を巡る因縁もある。昨オフに捕手の大野奨太がFAで中日に移籍したが、その際、日本ハムが人的補償で獲得に動いたのが中日のプロテクトリストから外れていた岩瀬だったのだが‥‥。
「当の岩瀬が『日ハムだけはイヤだ』と引退まで口にしたため、スッタモンダのあげくに金銭補償で落ち着いた経緯がある。日本ハムにしたらおもしろくないでしょう」(スポーツ紙デスク)
パ・リーグの首位を走る西武で、古巣・阪神との対戦を心待ちにしているのが今季4勝(5月24日現在)をあげている榎田大樹(31)だ。
「昨季、2軍でいい投球をしていたにもかかわらず、1軍での登板はプロ入り後最少の3試合。西武にトレード移籍して先発ローテーションで使ってもらえ、意気に感じているようです。阪神相手に、見返してやりたい気持ちは強いでしょうね」(スポーツ紙デスク)
逆に、その西武が攻略に闘志を燃やしているのが巨人の野上亮磨(30)である。
「昨オフ、野上が西武から巨人にFA移籍した際、西武関係者は『10勝すれば9敗する投手。安定した活躍は望めない』と強がっていました。その言葉どおり、今季の野上は(5月24日現在で)4勝3敗。西武としては、直接対決で自分たちの評価をあらためて実証したいところです」(西武担当記者)
遺恨バトルの火種は移籍選手に限らない。日本ハム生え抜きの中田翔(29)も、対阪神戦に目の色を変えて臨むことになりそうだ。
昨季取得した国内FA権を巡って、当初、「阪神移籍が既定路線」と言われていた。本人も、親しい関係者には「金本監督のところにお世話になりたい」と漏らしていたというが、相思相愛と思われた阪神が、若手育成へと方針転換。自身の成績低迷もあり、阪神入りはかなわなかった。
「結局、他の球団からも声がかからず、8000万円ダウンで残留しましたが、1年契約にとどめたことで、今オフの移籍に含みを持たせた。交流戦では、阪神を含めた他球団が欲しいと手をあげるだけの成績を残して、アピールしたい考えのようです」(阪神担当記者)
試合の行方とともに、選手の“遺恨”もまた交流戦のハイライトである。