モデルは実在しないが、プロフィールは設定されている。AI生成画像を使ったグラビア写真集「生まれたて。」なるものが発売されている。いったいどういうことか。
これは「週刊プレイボーイ」編集部がAI生成画像を使って生み出した「実在しないグラドル」の作品だという。架空の女性ながら、誕生日や出身地などのプロフィールが細かく決められ、「さつきあい」という名前で公式Twitterアカウントも開設。スキャンダルを起こさないから安全だ、あるいは、実際に会って応援できないから人間の方がいい、と賛否両論が巻き起こっている。
ひとまず実際に見てみよう。AI生成された水着姿の女性が、豊かなバストを腕でギュッと寄せた挑発的なポーズ。表紙からしてコレである。宣伝文句を見てみると、
「オトコの理想をギュギュッと詰め込んだ夢のような存在を、限りなくリアルに再現しました。誕生したのは、たぬき顔な妹系美少女」
「たとえ彼女は実在しなくても、芽生えた恋心はホンモノだ……!」
と煽っている。そして一部のグラドルファンからは「顔があの女優にそっくりだ」との指摘が相次いでいる。芸能記者が解説する。
「女優の浅倉唯(現・椛島光)ですよ。2021年、特撮ドラマ『仮面ライダーリバイス』でブレイクし、『週刊プレイボーイ』や『ヤングジャンプ』などで水着グラビアに挑戦しました。整ったルックスと美ボディが好評を博し、YouTubeの水着メイキング動画は600万再生を超える大反響を起こした。しかしその後、所属事務所とのトラブル疑惑が報じられると、2022年8月に事務所を退所し、名前を椛島光へと改名することに」
当時、「浅倉が写真集の仕事を企画ごとボツにした」という報道があったのだが、彼女は「週刊文春」の直撃インタビューには「私は肌を出して性的に見られることに抵抗があって…」と明かし、グラビア界から姿を消している。
そうした背景があるだけに、今回のAI写真集をめぐっては「これを発売するぐらいなら、彼女に再オファーすればいい」「グラビアを辞めた人に似せるのは、モラルがない」などと、物議を醸しているのだ。
実際に浅倉をモデルとして使用したかどうかは、わからない。しかし今後、AI写真集が増えていくことで「元素材」の権利について論争となるケースも出てきそうなのである。