パ・リーグ投手にとって、交流戦での甲子園球場のマウンドは特別のようだ。
野球解説者の金村義明氏が6月5日放送の「金村義明のええかげんにせぇ~!」(MBSラジオ)で、パ・リーグの投手が甲子園球場で投げたがるワケを話を明かしていた。
3日に行われた交流戦「阪神対ロッテ」では、ロッテ先発の種市篤暉が人生初の甲子園登板で初回に大山悠輔に先制3ランを浴びるなど、6回3失点で降板。試合は延長11回、阪神が6対5でサヨナラ勝ちを収めた。
番組でその試合の話題になり、金村氏は、
「やっぱり甲子園でやったというのも大きい。ホームの利は大きい。種市も初回3ラン打たれたやん。フォアボール、フォアボールで、ちょっと球場に飲まれた雰囲気していた」
とコメント。進行役の井上雅雄アナは、ロッテの選手が甲子園に来る前、種市が舞い上がっていると佐々木朗希が明かしていたとし、交流戦の甲子園は、ただでさえ選手のテンションが上がることを指摘。
すると金村氏は自身が現役時代、西武に所属していたときを振り返り、こう明かしたのだ。
「西武ってすごいピッチャー多かったけど、(高校時代に)甲子園に出られなかった人のほうが多かったから、オープン戦でジャンケンで取り合いするねんから。森(繁和)ピッチングコーチが『お前らジャンケンで決めろ』言うて」
金村氏によれば、当時の阪神は弱かったため、日本シリーズに出てくる気配すらなかった。そのためパ・リーグの投手は甲子園で投げる機会がなく、オープン戦で甲子園となると全員が早めに球場入りし、マウンドで練習したがったという。
現在は交流戦のおかげで機会は増えたが、プロにとっても甲子園のマウンドが憧れの場であることに変わりはないのだろう。
(鈴木十朗)