サッカーのJ1鹿島アントラーズと審判委員会の異例の対立が表面化したのは、6月3日のことだった。
発端となったのは、5月14日の鹿島アントラーズVS名古屋グランパスの一戦だ。前半12分にFW鈴木優磨がコーナーキックをヘディングで叩き込む。が、直後にVARが介入し、鈴木のファウルがあったとして、ノーゴール判定に。問題はその少し後に起きる。
「前半29分に再び、コーナーキックから鈴木がヘディングでゴールを決めると、レフェリーのもとに詰め寄り、睨みつけたんです。慌ててチームメイトに引き離され、異様な状況の中で試合は再開されました」(サッカーライター)
この行為が問題視され、6月2日に審判委員会がメディアブリーフィングで「あってはならないこと」として、鈴木の振る舞いを批判。すると今度は鹿島が審判委員会に抗議文を提出して、ドロ沼状態に発展する。サッカーライターが続ける。
「鹿島側は『試合後、本人に厳重注意を行った一方で、審判委員会からクラブや選手に注意は受けていない』としました」
思わぬ場外戦に発展する形となったが、火ダネである鈴木の言動はこれまでも、なにかと問題視されてきた。
「今シーズン16節が終了した時点で、得点ランキング3位(8点)と、エースとして大車輪の活躍を見せている。ただ、ピッチ内ではやんちゃな悪童キャラで知られます。京都サンガとの開幕戦では、2-0でリードする中、ブーイングを浴びると、京都のサポーターが陣取るゴール裏に向けて、両手で『2』と『0』のポーズを作り、笑いながら煽っていました」(前出・サッカーライター)
実力的には日本代表クラスながら、森保ジャパンに定着することはなかった。それもあってか、20年9月には、
〈イライラする部分が好きじゃない? てめーなに様だよ〉〈だったら呼ぶんじゃねーよ〉
と自身のツイッターに投稿。〈もしかして、森保監督???〉というリプライに対し「いいね」したことで、森保一監督への批判ではないかとの憶測を呼んだ。スポーツ紙記者もこう話す。
「これまでサッカーファンによる森保批判のツイートに『いいね』をすることがありました。とはいえ、不仲ではないと言われていて、森保監督も過去に『批判的な選手は外したのか』という記者からの質問に対し『選考に影響することはない』と答えています」
それでも新生森保ジャパンには、まだ一度も招集されていない。サッカーファンの間でアンチが多い反面、待望論の声も大きいだけに、今回の「審判睨み」問題を、森保監督はどうみているのか。イライラせずに、万事解決となってほしいものだが。