森保一監督率いるサッカー日本代表が12月10日、EAFF E-1サッカー選手権の初戦で中国代表と対戦し、2-1と勝利を収めるも、MF橋岡大樹があまりにも危険なファウルを受ける場面があった。
大きく波紋を呼ぶこととなったのは、前半31分に橋岡が中国代表DFジャン・ジーポンから受けた危険すぎる“カンフーキック”である。2人はタッチライン際でハイボールめがけて競り合うと、ジャン・ジーポンがジャンプしながら振り上げた左足が橋岡の後頭部を直撃。痛みに悶えながら地面に倒れる橋岡を心配する様子も見せず、ジャン・ジーポンはすぐさま主審から提示されたイエローカードへ不満の表情すら浮かべていたのだ。
このファウルに対して一発退場のレッドカードではなく、イエローカードという判定に留まったことも不可解だが、さらなる非難の材料となったのは、試合後のジャン・ジーポンによる釈明コメントだ。
「一歩間違えれば橋岡の選手生命にもかかわるような危険タックルで、ツイッターでは“カンフーサッカー”とのワードもトレンド入りするほど物議を醸しましたが、当のジャン・ジーポン本人は試合後、『意図的に彼を傷付けようとしたわけではない。リプレイを見れば分かるが、僕が最初にボールに触れているし、直接的に彼の頭を蹴ったのではなく、彼の頭が僕の足に当たったんだ』などとし、『ボールを蹴りにいったんじゃなくて、トラップした。レッドカードの判定をされることはないだろう』ともコメント。橋岡への気遣いはおろか、“彼の足が僕の足に当たった”という上からの解釈を残したことで、日本のサポーターからは『あれを意図的にやってるなら警察沙汰。言い訳してること自体、レベルの低いプレーヤー。誰が見ても危険行為』『なぜあれがレッドカードじゃなかったのか審判には説明してほしい』『どう見ても飛び蹴り』『言い訳ばかりだ』と怒りの反応が殺到しています」(スポーツライター)
なお、この危険行為については中国メディア「新浪体育」も“ジャン・ジーポンによる少林カンフー”と表現し、「レッドカードを出されなくて済んだ」と綴っている。
橋岡の後頭部を足でスパイクしたジャン・ジーポンのキックに加え、それをイエローカードで終わらせた主審、そして当事者による試合後の“トンデモ釈明”。あまりに複雑怪奇な様相を呈した今回の一連の騒動に、多方面から疑問と怒号が集まってしまうのも致し方ないだろう。
(木村慎吾)