衰弱の一途をたどる虎の尻尾を射程圏内に捉えたのが巨人である。交流戦でパ球団から白星を量産して、セ界のAクラスに浮上したのだ。そんなノリノリの中にも懸案事項がある。巨人球団関係者が耳打ちする。
「“デーブ”こと大久保博元打撃チーフコーチ(56)ですよ。そもそも坂本勇人(34)の春先の打撃不振もデーブに一因がある。キャンプで試行錯誤して取り組んでいた時期から『スイングスピードが落ちた』や『(ボールが)飛ばなくなった』と坂本の状態をメディアにベラベラ発信していた。これには坂本も『余計なことをしゃべんなよ』と周囲に不満を漏らしていました。そもそも、選手のコンディションは機密事項ですからね。坂本の弱点を天下にさらされたも同然でした」
それにしても、大久保コーチの舌はよく回る。時にはプラスに転ぶこともあった。交流戦で、過去に放出したOB選手を揶揄して、
「ロッテ戦を前にしたミーティングの席で、リリーフの澤村拓一(35)を『チャンスピッチャー』と小バカにしていたんです。直球とフォークのみの配球で、簡単に打てると豪語していたんだとか。1戦目では澤村から2三振を喫した打線だったが、それを聞いた亀井善行打撃コーチ(40)がデーブの発言をメディアにポロッと話した。それが澤村に伝わってカッカさせるのが作戦だったのでしょう。2戦目には2ホーマーで完全勝利を決めました」(スポーツ紙デスク)
一方で、一時は巨人と最下位争いをしていた中日には上がり目が見えてこない。ところが、チームを率いる立浪和義監督(53)には不思議と悲壮感が漂っていないのだ。在名球界OBがその内情を明かす。
「長期契約が結ばれていますからね。これまで年数は発表されていませんが、実際は5~6年と言われている。あるプロ野球OBが今季のシーズン中にチーム再建計画のレポートを引っ提げて、監督に立候補したらしいが、検討の余地なく却下されている。球団が三顧の礼で迎えているだけに、簡単にクビにできないんだろう」
それでも、長く低迷から抜け出せない状況に大本営メディアも黙っていない。
「親会社の中日新聞が、立浪監督に批判めいた記事を載せるようになりました。社内には大きく2つの派閥があり、立浪監督を担いだ大島宇一郎オーナー(58)の反対陣営が情報を流している。選手たちも立浪監督の恐怖政治にはビクビクしている。オフにDeNAにトレードに出された京田陽太(29)のようにいつ干されるかわかりませんからね。指揮官と選手の間には会話すらないようです。各所に潜む不満分子がいつ爆発してもおかしくありません」(スポーツ紙デスク)
目下、リーグ3連覇どころではないヤクルトも対岸の火事では済まされない事態が。
「村上宗隆(23)が“裸の王様”になりつつある。というのも、令和の三冠王の周辺には首脳陣を含めてイエスマンしかいなんです。どれだけ不遜な態度を取ろうが咎めるような人間はいません。一応、元メジャーリーガーの青木宣親(41)の言うことだけには耳を傾けるようですが、さすがに主砲がヘソを曲げる発言は控えている。同じく元メジャーリーガーであるはずなのに、高津臣吾監督(54)は機嫌を損ねないよう丁重に扱うしかないのです」(スポーツ紙デスク)
こんな有様だから、昨季の三冠王が見る影もないのがうなずけよう。
一方、きちんと数字を残していても信頼感を得られないのが田口麗斗(27)だ。
「クローザーで防御率1点台(6月16日現在、以下同)は合格点ですが、その品格にチーム内外から疑問符が付けられています。お調子者のムードメーカーと言えば聞こえはいいですが、例えば合コンでも真っ先に大枚の入ったパンパンの財布を机の上に置いて『すごいっしょ?』と金持ちアピールするような性格です。投手陣の中には、継投して最後を任せるのに批判的な向きも多い。それでも、高津監督が同郷・広島出身のよしみでポジションを与えちゃうんです」(球界関係者)
指揮官のエコ贔屓采配は、野手にも及ぶようで、
「いわゆる“高津チルドレン”と呼ばれる選手たちです。その代表格はショートの長岡秀樹(21)。打率1割台に低迷しようが、交流戦に入るまでスタメンで起用され続けましたよね。その他にも同期の武岡龍世(22)や6年目の宮本丈(28)ら、1軍に呼ばれやすい選手が一定数いる。ファームに幽閉されている中堅どころは不貞腐れていますよ」(スポーツ紙デスク)
まさにヤクルトの“サンクチュアリ”。低迷チームには一枚岩になれない理由が見え隠れしているのだ。