パリは燃えているか──。
フランシス・コッポラ脚本の米仏合作の映画名であり、NHK「映像の世紀」のテーマソングが、シャレにならない事態に発展している。
北アフリカ出身の少年殺害を機に起こったフランスの暴動は、7月2日にパリ南郊のライレローズで、ヴァンサン・ジャンブラン市長が事態収拾にあたる中、市長不在の自宅が襲撃され、市長の妻と子供が火傷や足骨折の重症を負った。
危険が迫っているのは、パリ市長だけではない。パリ在住の作家でミュージシャンの辻仁成は7月1日のブログに「息子が住んでるマンションが放火された」と恐怖を綴った。辻本人は現在、イタリアのシチリアにおり、中山美穂との間に授かった一人息子から連絡が来たという。ブログに書かれたやり取りによれば、
「今、家の前で車が燃え上がっている」
「え、大変じゃん。消防車来たん?」
「パリ中が燃え上がっているから、消防車なんか、無理でしょう」
さらにその緊迫感は、次のやりとりでハッキリとわかるのだ。
「うん。パパ、デモじゃないよ。革命みたいなものだよ」
「革命?」
「うちの下のレストランは炎上して、しばらく営業できないよ。うちにも爆竹が飛んで来て、窓ガラスが割れそうになった」
パリの現状を父と息子の連携プレーで写真付きリポートする辻親子は、さすがというしかない。
他にパリ在住の有名人といえば西村博之氏がいるが、Twitterは7月3日14時現在、14時間更新はなく、直前の投稿はアフリカのマラウイ共和国の風景動画のみ。
元フジテレビアナの中村江里子は、暴動前にチャリティーパーティーを開くという優雅な投稿をInstagramにアップして以降、更新なし。元TBSキャスターの雨宮塔子も、更新していない。2人のファンは安否を気遣う一方で「ご本人の安否も含めて、元テレビ局員としてフランスの現状を安全な場所からでいいのでレポートしてほしい」というコメントを寄せている。
ルイ・ヴィトンやエルメスも襲撃され、ブランドバッグが持ち出される様子が動画投稿されている。
それにしても東京五輪は新型コロナ、パリ五輪は「革命のような暴動」と、五輪開催は2期連続で開催が危ぶまれることになった。呪われているとしか言いようがない。