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ボールパークの先駆け「光の球場=東京スタジアム」大毎&ロッテ本拠地の盛衰物語

 巨人の本拠地・東京ドームの築地移転が現実味を帯びる中、かつて東京・荒川区に「光の球場」と呼ばれるボールパークがあったことを覚えている野球ファンはいるだろうか。

 1962年5月に開場した東京スタジアムは、両翼90メートル、中堅120メートル、内外野は一部クレー舗装と天然芝を用い、公称3万5000人の収容人数を誇る球場で、夜になるとナイター照明が放つ光が周辺に瞬く光景から「光の球場」と呼ばれた。

 スタンドの座席は場所ごとに色分けされ、シートスペースが広く取られていたことから「ゆったり座れる」と好評だった。今でこそマツダスタジアムやエスコンフィールドのように、広めの座席を設置する球場が増えているが、今なお狭い球場が圧倒的に多いことを考えると、画期的だった。

 左翼スタンドから三遊間後方にかけての地下には、ボウリング場が併設。シーズンオフには内外野のスタンドの上にスケートリンクが設置され、巨大な屋外スケート場となった。将来は映画館やレストラン、デパートを併設予定だったというのも、「ボールパーク」のゆえんとなっている。

 球場を造ったのは大映の社長で大毎球団オーナーの、永田雅一氏。当時、後楽園を本拠地にする巨人の人気に対抗するため、建設費のほとんどを私財で賄い、自前の球場を完成させた。

 1970年、大毎からロッテに名前を変えたチームは、有藤通世や小山正明らの活躍もあり、2位の南海に10.5ゲーム差をつけて、10年ぶりにパ・リーグを制覇。優勝を決めた東京スタジアムのグラウンドに次々とファンが乱入する中、「東京音頭」の歌声に乗って永田オーナーが宙に舞った。

 残念ながら大映の倒産により、1972年に閉場。1977年に取り壊されている。サンフランシスコのキャンドルスティック・パークをモデルに作られ、下町の暗闇を明るく照らした「光の球場」は、今でも地元住民の間で、懐かしい思い出として語られている。

(ケン高田)

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