パ・リーグ3位とまだ優勝を狙える位置はいるものの、前半戦をドロ沼の9連敗で終えたソフトバンク。8連敗となったオリックス戦(7月16日・ペイペイドーム)では、藤本博史監督が怒る場面があった。
問題のシーンはソフトバンクが0対1で迎えた8回裏2死満塁の勝ち越しのチャンスに飛び出した。マウンドの宮城大弥投手が打席の近藤健介外野手に投じた5球目、外角低めを見送り押し出し四球を確信した近藤が一塁に歩き出したところ、吉本文弘球審の判定はストライク。エルボーガードまで外した近藤も思わず「えっ」と声を上げ、ア然とするしかなかった。
結局、近藤は三振に終わり、1対2で敗れた藤本監督は試合後、球審の判定に文句は付けられないとしながら「ストライクだったら謝りますよ。完全なボールですから」と怒ったのだった。
スポーツライターが語る。
「この判定シーンを切り抜いた動画がSNSにアップされると、瞬く間に拡散。たった1日で1300万回再生を超え話題となりました。実際、誰の目にもハッキリとわかるボール球だったこともあり、ファンが怒りの声を上げるのも理解できます」
吉本球審の判定といえば、過去にも騒動があった。
「2014年9月、阪神対DeNAの9回1死満塁で、阪神の今成亮太が左前打を放ち三塁走者の坂克彦が生還、二塁走者マートンが本塁でクロスプレーになりました。タイミング的にはアウトに見えましたが、吉本球審の判定はセーフで阪神のサヨナラ勝ち。これに納得がいかなかった当時の中畑清監督は激昂し、吉本球審に体当たりして退場となりました。暴力行為は褒められたものではありませんが、ファンとしては藤本監督にもそのくらいのガッツを見せて欲しかったでしょうね」
現役時代は闘志を前面に出してプレーをしていた藤本監督だが、すっかり丸くなってしまったようだ。
(ケン高田)