イノッチ社長にとっては、火中の栗を拾うこととなったか――。滝沢秀明氏の電撃退任によって、昨年9月に井ノ原快彦がジャニーズ事務所の傘下会社であるジャニーズアイランドの2代目代表取締役社長に就任した。だが、故・ジャニー喜多川氏の性加害問題が再び明るみに出て、ピンチに陥っている。
井ノ原は、V6時代と変わらず坂本昌行、長野博によるユニット「20th Century」として音楽活動も継続。俳優としては、6月まで主演ドラマ「特捜9」(テレビ朝日系)が放映されていた。歌手、役者、司会者との兼業社長だが、ジャニーズJr.の発掘・育成には寸暇を惜しんで奔走している。
ところが、犠牲者は数百人に及ぶとされるジャニー氏の性暴力問題に国連人権理事会「ビジネスと人権」作業部会が本格参入したことで、暗雲が立ち込めた。ジャニーズの冠を有した案件に広告業界が難色を示し、新規取引を拒む企業が相次いでいる。
「それでも、井ノ原社長はJr.に悪しき影響を与えまいと必死。少しでも顔を売るために、外部舞台、たとえ小劇場でもいいからと売り込んでいるそうです。毎年夏は、フジテレビ系列のワールドバレーボールのスペシャルサポーターをジャニーズタレントが務め、デビューしてきた系譜がありました。しかし今年は帳消し。この案件でのデビューが内定していたAぇ! group(関西ジャニーズJr.)が消滅したと、業界内の噂です」(週刊誌記者)
井ノ原に感謝する後輩は多い。かつてⅤ6のバックダンサーだったA.B.C-Zの戸塚祥太も、そんな1人だ。戸塚は初めてステージに立ったJr.時代、井ノ原が一人ひとりの目を見ながら挨拶をして、何かひとこと声をかけたことを覚えている。以来、戸塚も後輩の目を見て「おはよう」と声をかけるよう心掛けているという。
「A.B.C-Zの五関晃一は、『(イメージカラーが)青だよな』というメールを井ノ原さんからもらいました。何度かやり取りをしたあと、青色の革ジャンが届けられるという経験をしています」(アイドル誌ライター)
「人格者」井ノ原社長がぶち当たっているジャニーズの苦境。失地回復の道はあるのか。
(北村ともこ)