ジャニー喜多川氏の性加害問題でCMスポンサーのジャニーズ離れが進む中、嵐の櫻井翔がCM出演しているアフラック生命保険が、ウルトラCともいえる考えを明らかにした。ジャニーズとの広告契約を終了する意向を示しながらも、櫻井については「個人との契約に変更するなど、様々な可能性を検討している」としたのだ。
ジャニーズ事務所が「今後1年間、所属タレントの広告出演と番組出演などで得たギャランティーの全額をタレント本人に支払い、事務所側は報酬を受け取らない」と発表したタイミングでの「個人契約」という提示。CM制作関係者が言うには、
「アフラックのジャニーズに対する不信感は、それほど大きいのでしょう。性被害者への補償や再発防止など会社の方向性に疑問が持たれ、国際的にも批判が収まっていない中で事務所と契約を続ければ、企業イメージを悪化させてしまう。とはいえ、櫻井と築いたブランドイメージは捨てがたい。ギャラの取り分の問題ではなく、事務所を通さない方がイメージ的にいいという判断でしょう」
今後、アフラックに追随し、タレントとの直契約の流れが加速する可能性もある。が、タレントとの個人契約はスポンサーにとってリスクがある、と指摘するのは広告代理店スタッフだ。
「CMに起用したタレントが不倫騒動などのスキャンダルを起こす、あるいは薬物その他の違法行為に及んでしまった場合です。タレントは降板すると同時にスポンサーに違約金を支払い、損害を賠償することになります。過去のケースを見ても、賠償額が数億円に達することもありますが、その多くは所属事務所が肩代わりしている。個人契約の場合、このお金をタレント個人が支払えるのか、という問題が出てきますね。事務所を通さずに契約している場合、所属事務所が支払う義務はないでしょうから」
スポンサーとタレント双方がこのリスクを回避できる方法はあるのだろうか。不祥事を起こさなければ済む話なのだが。
(石見剣)