「“推し活”でだまされた!?」
そんな物騒なタイトルで放送されたのは、8月17日の「所さん!事件ですよ」(NHK)だった。アイドルのライブチケット転売を巡り、チケット代を振り込んだにもかかわらず、その後、連絡がとれなくなったという被害が紹介されたのだ。いわゆる「推し活詐欺」の実態である。
実は今、こうした「推し活トラブル」が急増している。とりわけチケット転売に関連したものが多いのだが、インターネット通販を使った手口も多発。都内に住む23歳の女性も、被害に遭ったひとりだ。
「好きなアニメの限定グッズが安価で売られているサイトを見つけたんです。支払いが銀行振込のみだったのでおかしいなとは感じたのですが、他では手に入らないものだったので、入金してしまいました」
ところが2カ月経っても商品は届かず、ようやく詐欺だったのではないかと気付いた。その後、詐欺サイトかどうかを調べられるサイトで問題の会社のウェブサイトを検索してみると「詐欺サイトである可能性が高い」と出る。そこで、慌てて消費者センターに連絡することに。騙された女性が続ける。
「振込をした銀行口座は既に凍結されていて、口座内の残高から被害総額を分割して返金されると言われました。最終的にお金は全額戻ってきましたが、その詐欺サイトはしばらく残っていましたね。詐欺に遭ったのはショックですが、住所や名前などの個人情報を登録してしまったので、悪用されないかが心配でしかたがありません」
このほか、「ネット通販で推しのグッズを購入したらニセモノだった」「SNSでグッズの交換をして、こちらが品物を送ったのに、相手のものが届かなかった」といった声もある。
通販サイトの場合、消費者センターに通報することができるが、個人同士では訴えるのが難しいことも。安易に応じず、相手の住所や連絡先をきちんと聞いておくなど、注意すべきことはたくさんあるのだ。