昨今、メディアなどで「性サービス業の海外出稼ぎ」問題が注目を浴びている。シンガポールや台湾などの店舗型の特殊浴場や出張型サービス店に日本人女性が出稼ぎに行き、問題が顕著になったことで、アメリカでは昨年から取り締まりが強化されるようになった。
つい先日、タイ・バンコクで日本人のデリバリー店舗がオープンしたという情報が入った。店のウェブサイトによると、働いているのは日本人女性のみ。海外でのこうしたサービスに関しては様々なトラブルが報告されており、昨年10月には香港で違法サービスに従事した日本人艶系女優が、在留資格違反の疑いで逮捕されている。タイ事情に詳しいジャーナリストに事情を聞くと、
「タイの現地企業で働くなら、ノンイミグラント・ビザ・カテゴリーBと労働許可証(ワークパーミット)が必要となります。企業が外国人を雇う場合、200万バーツの払込資本金ごとに外国人労働者1人につき、ワークパミットが発行されます。どちらにせよ、外国人は性サービス店で働くことができないため、違法といえるでしょう。おそらく短期で来ている日本人旅行者を雇っているんでしょうが、すぐに通報されてしまう」
タイでは2017年頃から、外国人による不法就労の取り締まりが強化された。労働許可証を所持せず就労が見つかった場合、5万バーツの罰金徴収で強制送還となる。先のジャーナリストが解説する。
「新規オープンしたその店のウェブサイトを見ましたが、日本人客に対して性的なサービスを行っているようですね。料金は60分で約2万4000円。バンコクの日本人コミュニティーは狭いため、働いていれば噂が広まる可能性が高い。リスクを考えると、結局は日本で働く方が賢明です」
7月末、SNSにラオスでの海外出稼ぎに関する求人が掲載された際、外務省は「実際は自由を拘束し、違法活動に従事させる求人詐欺が多発している」と注意喚起した。
SNS上に溢れる海外の性サービス案件。オイシく見えるかもしれないが、犯罪への加担やトラブルに巻き込まれる可能性は高い。冷静な判断力が必要なのである。