横浜DeNAベイスターズのトレバー・バウアー投手が、8月25日にバンテリンドームで行われた中日戦に先発登板。8回を投げ、7安打3四球ながら要所を締め、10勝目を挙げた。
「バウアーはこれで2試合連続、中4日で先発した。2試合連続で8イニング120球以上を投げるという、チームにとっては非常にありがたい存在です。しかも6月以降は14試合に先発して13QSと抜群の安定力。サイ・ヤング賞受賞はダテではないことを証明しました。DeNAの外国人投手の2桁勝利は、17年に10勝したウィーランドに次いで、球団史上2人目。128奪三振は球団外国人投手のシーズン新記録ですが、バウワーは満足していない。15勝200奪三振を目標に設定していますからね」(スポーツ紙デスク)
そんなバウアーが異例の発言をしたのは、試合後のことだった。9回に登板し、打者16人に8安打5四死球で10失点と大炎上した中日・近藤廉投手に対し、異例のメッセージを贈ったのだ。
「どんなにいい投手でもこういう日がありますし、誰もがこういう経験をしています。このような結果に落ち込むことなく、落胆することなく、これからも前を向き続けてもらいたい」
これに中日ファンからは、感謝と称賛の声が出たのである。
「他球団の、しかも面識もないであろう若い選手にこのような言葉をかけてもらい、本当にありがとう」
近藤は入団3年目のサウスポーで、今年はこれが1軍初登板。試合当日に1軍登録されたばかりだった。8回までに2-8と敗色濃厚な試合の9回、いわば敗戦処理としての登板ながら、打者16人に62球も投げて、サンドバッグ状態にされてしまったのだ。
「負けがほぼ確定の試合で中継ぎ投手を多く使いたくなかったとはいえ、いきなりこうした使い方で散々な結果を招いた中日首脳陣には『近藤を潰す気か』と、批判の声が強まっています」(スポーツ紙デスク)
バウアーから贈られたメッセージに、近藤は何を思ったのか。翌26日には1軍登録を抹消されてしまった近藤が腐ることなく這い上がり、バウアーと投げ合う日が来ることを期待したい。
(石見剣)