ジャニー喜多川氏の性加害報道をめぐり、東西「女帝」の決定的な違いが浮き彫りになった。
まずは関西の毒舌ご意見番、上沼恵美子だ。9月10日に「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ)でこの問題を取り上げると、
「みんな知ってた。私ら昭和の中頃くらいから芸能人やってます。大阪でお笑いの片隅でやってる人間ですが、知ってたもん」
そう話す上沼は、芸能界の「常識」だったと明かしたのだ。
「なんで知っててマスコミも言えへんかったかというと、芸能界特有の『そんなこと言うたらアカンねん、タブーやねん。あれはアカンで』というような風潮じゃなかったですか」
上沼は被害者について「一生の傷になってるわけですよ」と訴え、社名変更の問題についても、
「名前を残すなんて言語道断。悪魔の名前をひけらかして」
猛烈な批判を展開したのだった。さらにジャニー氏を、これでもかとコキ下ろす。
「自分は好きなことして、かき回すだけかき回してあの世に旅立ったか分からんけど。最低の、下の下の下のオッサンやねん。死んでる場合ちゃうねん。生き返って謝れ!」
毒舌の限りを尽くしてスタジオを凍り付かせた上沼とは正反対だったのが、東の和田アキ子だ。「クギズケ!」と同日、同じ時間帯の放送だった「アッコにおまかせ!」(TBS系)で、次のような感想を語ったのである。
「(会見を)見ましたけど、質問のある方に全てお答えするっていう、そこはすごく謙虚っていうか、誠意が感じられました」
なにやらジャニーズを擁護する、なんともおとなしい物言いで、社名を存続させことについても、
「私たち外部がどうしたらいいとか(言うの)はお門違い。会社がそういう指針を出してやっているから、会社内部に任せるしかない」
一般的で当たり障りのないコメントに終始したのである。
まさに忖度なしの意見をズケズケと言う上沼と、「あからさまな忖度の、なんちゃってご意見番」の差がハッキリと分かったのである。
(魚住新司)