原泰久原作の人気漫画「キングダム」の累計発行部数が1億部(電子版含む)を突破することがわかった。「キングダム」の連載開始は2006年、「週刊ヤングジャンプ」9号。11月17日発売の第70巻をもっての大台到達であり、17年の歳月を費やした。だが世間では「え、まだ1億部いってなかったの?」との声が多いようで…。
「その理由はまず、実写映画化の大ヒットでしょう」
と語るのは、エンタメライターだ。続けて、
「山崎賢人を主演に、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多といった人気俳優を起用した2019年4月19日公開の第1弾『キングダム』の興行収入は57.3億円。2022年7月15日に公開された第2弾『キングダム2 遥かなる大地へ』も51.6億円と好調で、いずれもその年の邦画実写作品における興行収入1位を記録ました。今年も7月28日に第3弾『キングダム 運命の炎』を公開と、これほどの続編を生むわけですから、大台突破はとっくに達成していたと考えて当然でしょう」
もうひとつの理由は、吾峠呼世晴原作の大ベストセラー漫画「鬼滅の刃」の台頭にある。これは連載開始の2016年から4年後に、全23巻で1億部を突破。2020年公開の劇場アニメ「無限列車編」が興行収入404.3億円で日本歴代1位を記録したことで日本中を席巻し、コミックの売り上げに拍車がかかった。
「つまりアニメ化、映画化される人気漫画なら即1億部のイメージがある、というわけです。ちなみに『キングダム』『鬼滅の刃』を生んだ集英社で1億部を突破した他の漫画は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』『DRAGON BALL』『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『ONE PIECE』『NARUTO-ナルト-』『BLEACH』があります。1976年に連載開始の『こち亀』は、連載終了となった2016年に全201巻でようやく1億5650万部を記録。アニメ化もされた『キン肉マン』や『北斗の拳』ですら成されていない大台です」(前出・エンタメライター)
「キングダム」第70巻での1億部突破は、大いに誇れる数字なのである。
(所ひで/ユーチューブライター)