まさに「お値打ち選手」だけに、手が伸びるのは当然かもしれない。
オリックスの山崎福也が9月27日のソフトバンク戦で8回まで5安打無失点に抑える力投。プロ9年目にして初の2桁勝利を達成した左腕は、
「絶対に10勝目を決める、という強い気持ちを持って臨んだ。自信がつく」
キリッとした流行り顔で、そう語った。
山崎の推定年俸は6000万円。昨オフに単年で契約更改しており、この8月に国内FA権を手に入れたことで、仮に権利を行使した場合、今オフは複数球団の競合が予想されている。
「獲得した球団が人的補償も金銭補償が必要ない、格安のCランク選手のため、人気が集中しそうです。日大三高から明治大を出たエリートで、経験が豊か。カーブ、フォーク、スライダー、チェンジアップ、カットボールと多様な変化球を持ち、ローテーションを計算できますからね」(スポーツライター)
実は打力も高く、日大三高3年生のセンバツでは、大会新記録タイの13安打を放った。日本シリーズや交流戦でも安打を記録し、指名打者制がないセ・リーグへの移籍はもってこいだ。
「父が元巨人の選手ということもあり、巨人が獲得に打って出るかもしれない。が、本命となりそうなのは広島ですね。松田元オーナーの一声で、昨年は秋山翔吾を取り込むなど目下、補強に積極的です。カープは入場料収入やグッズ収入が底堅く上り調子のため、金銭的にも問題はありません。日大三高出身の坂倉将吾が正捕手を担っていて、コンビ誕生と引き合わせ役が期待されています」(前出・スポーツライター)
来年はどこのユニフォームに袖を通しているのか。
(田中実)