70年代にオカルト界を大いに賑わせたのが「魔の三角地帯」と呼ばれるバミューダトライアングルだ。フロリダ半島の先とプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域で船舶や航空機が突如として姿を消す事件が次々と起こり、テレビや雑誌でオカルトネタとして扱われた。
失踪の原因は今もわかっておらず、様々な説が持ち上がっている。磁力に異常が生じたという説や、冷気が海面に落ちて強風を起こすマイクロバースト説、宇宙人が機体ごと誘拐したなんて説まである。
そんな魔の三角地帯が小規模ながらも日本にあるという。証言してくれたのは元自衛隊第一空挺団の男性だ。
「第一空挺団の訓練には、低空飛行するヘリから海に飛び込んで海岸まで泳いでたどり着く、という訓練があります。靴を履き服も身に着けたまま泳ぐのは第一空挺団といえどもきついものです。それに加えて、千葉県のある海岸沖で行われた時だけ泳いでいる途中で方向感覚がおかしくなるので、ここでの訓練は隊員に嫌がられていました」
太陽が頭上にある正午近くに行われると、方向感覚を失い海岸がどっちにあるのかわからなくなるのだという。さすがに行方不明になった隊員はいなかったが、何度も方向を確認しながら泳ぐのはきつかったとか。
「ある日、ヘリのパイロットに方向感覚がおかしくなることを話したら、パイロットの間ではよく知られていて、その海域を飛ぶ時は気をつけていると聞かされました。理由はわからないが磁場の関係ではないかと言われているそうです。当時、バミューダトライアングルが話題になっていたので、『千葉のバミューダトライアングル』なんて言う人もいました」(前出の男性)
さらに驚いたことがあるという。
「方向感覚がおかしくなることを上は知っていて、あえてその海域で訓練させているという噂を聞きました。どんな場所でも対応できるようにということだと思いますが、魔の三角地帯で泳がさせれるのは気持ちのいいものではありませんでしたね」(前出の男性)
幸いにもその海域は小さく、船舶や航空機が行方不明になったことはないという。
(海野久泰)