美女ゴルファーが復活を遂げた。女子ゴルフの日米共催ツアー「TOTOジャパンクラシック」(11月1日~5日、茨城県・太平洋クラブ美野里コース)で、稲見萌寧がツアー通算13勝目。最終日は3位から出て4バーディー、1ボギーの69で回り、上位陣のスコアが停滞する中、通算22アンダーの266で大逆転勝利を収めたのだ。昨年8月以来、久しぶりのタイトル獲得に、
「勝てないんじゃないかという気持ちがあった。ここで勝ててよかった、という安心感がこみ上げた」
そう言って、復活に涙を流したのだった。
稲見はフェアウェー、グリーンをキープする確実性の高いプレーで2019年「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。同年の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を原英莉花、渋野日向子、河本結とともに受賞した。2021年の東京五輪では銀メダリストになり、ツアー8勝をマークして賞金女王に輝いた。
ところが飛距離アップを追い求めたところ、短いショットやパットを乱し、2022年は2勝に落ち込む。そこから勝てなくなった。ゴルフジャーナリストが言う。
「1日10時間以上もクラブを握るほど、練習の虫と呼ばれています。マジメすぎるため、トレーニングのやり過ぎによって腰を痛め、苦しんでいました。今年はコーチを何度も代えて、スイング改造を施していました」
今シーズンは、4戦連続の予選落ちを経験。メンタルが崩れてグンと落ち込む時期もあったようだが、
「力を抜き、上半身で強引に振りにいかず、下半身を使ったスイングになったことが、復活につながったのではないでしょうか。彼女は元来、体が硬い性質の選手。筋肉をほぐして柔軟性をアップさせることで、無理に上体を捻ることがなくなりました」(前出・ゴルフジャーナリスト)
米ツアーは初勝利で、今シーズンの残りと来シーズンの米ツアー出場権も獲得した。この優勝を機に、自信を取り戻すことだろう。
(田中実)