プロ野球・広島の西川龍馬外野手が11月14日、マツダスタジアムで会見を行い国内FA権を行使すると発表した。
西川は先週、チームが秋季キャンプを行っている宮崎県日南市を訪れ、新井貴浩監督に権利を行使することを直接伝えたという。その上で、「セ・リーグに行くことはない」と断言。「パの野球に興味があった。野球人生は短いので、そっちの方でもプレーしたい」と思いを打ち明けていた。パ・リーグではオリックスが調査に乗り出しており、元々オリックスファンだったという西川とは相思相愛の仲。移籍が確実視されている。
広島ファンにとっては大きな痛手だが、意外にも西川に対する非難の声は極わずかで、多くはすでに「人的補償」に関心が向いているようだ。
広島はこれまでにも、新井監督が阪神に移籍した際の人的補償で赤松真人、巨人へ移籍した大竹寛の代わりに一岡竜司、丸佳浩の巨人移籍で長野久義を獲得しており、いずれも活躍を見せているためだ。
スポーツライターが語る。
「丸のFA移籍の際は、巨人は絶対に35歳の長野は選んでこないだろうとあえてプロテクトを外し、まんまと広島にさらわれてしまった。長野は広島でコンスタントに成績を残し、若手のいいお手本となりました。広島は主力が抜けてもただでは終わらない抜け目のなさがある。まだ移籍先は決まっていませんが、すでに大方の当たりはつけているでしょうね」
西川の移籍はチームにとっては大きな痛手だが、ファンの間ではすでにオリックスのプロテクト外しから広島へ入団する選手の予想合戦になっている。前向きになるにはそれなりの理由があったというわけだ。
(ケン高田)