ECサイトや百貨店、スーパーなどで商戦が繰り広げられている「ブラックフライデー」。大手スーパーなどでも過去最大規模でセールを実施するなど活況となっている。しかし、ブラックフライデーでのセールでは実はそれほど商品が安くなっていないという指摘もある。
「ブラックフライデーは、アメリカのフィラデルフィアで11月の第4木曜日に行われる感謝祭の翌日に、売れ残った感謝祭のプレゼントを在庫処分として値引き販売をしたのが始まりとされています。小売店が黒字になることからこの名称で呼ばれるようになると、アメリカ全土に広まっていきました。日本では2014年に『トイザらス』が初めてブラックフライデーのセールを実施すると、外資企業を中心にこぞって導入し、今では75%を超える認知度を誇る大人気イベントとなっているのです」(経済ライター)
しかし、こんな意外な調査報告もある。20年にイギリス「BBC」が百貨店などでブラックフライデーの期間にセール対象商品として販売されていた201の商品について調べたところ、このうち実に90%はセール前と値段が変わっていなかったか、セール前の方がむしろ安かったものもあったという。さらには、対象商品の中には大幅に値上げされていたものまであったことから、専門家は「ブラックフライデーで買い物をする前にはまず価格を調査する必要がある」と指摘しているのだ。
「これはイギリスに限った話ではなく、日本でもブラックフライデーのセール直前に値上げして、セール期間に値段が下がっているように見せかける『見せかけ値引き』が横行しています。また、そもそも年末年始の大売出しの方が根付いていたこともあり、ブラックフライデーよりも年末年始の方が商品が安くなっているケースが多いとされているんです。雰囲気で思わずあれもこれもカートに入れたくなってしまいますが、本当に欲しいものが以前よりも安くなっていた場合だけ、買った方がいいかもしれません」(前出・経済ライター)
日本では主に12月1日まで「ブラックフライデー」と打ちセールしているが、くれぐれも冷静に。
(小林洋三)