近年、列車の撮影をする「撮り鉄」によるトラブルが増えているが、11月26日には水郡線で団体臨時列車「旧型客車で行く奥久慈の旅」が運行され、日本中から撮り鉄が集結。事件が起きるのではないかと心配されていた。
この列車は運行前から撮り鉄の注目を集めていた。
「貴重な旧型客車4両をDE10形ディーゼル機関車が牽引。しかも、DE10の中でも唯一ぶどう色2号と白帯に塗られた1705号が担当しました。この編成が水郡線走るのはおそらくこれが最後。しかも水郡線は紅葉の真っ盛り。撮り鉄なら絶対にカメラに収めたい列車です。実際、撮影地には関西ナンバーの車もありました」(鉄道ライター)
さらに水郡線は撮影できる場所が少なく、撮り鉄が一箇所に集中することになるので、トラブル発生が危惧されていたという。
実際にトラブルは起きたのか。
「撮影場所を巡って撮り鉄どうしが軽く言い争いをしているのは見ましたが、列車を止めてしまうような大きなトラブルはありませんでした。現場は和やかムードでパトカーがやってきたものの、『道を塞がないように』と注意したぐらい。警官は笑っていて『こいつらすげーな』といった感じでした」(前出・鉄道ライター)
なぜ今回は平和だったのか、鉄道ライターはこう予想する。
「トラブルを起こすのは中学生や高校生など若い人が多いのですが、この日はあまりいませんでした。水郡線は列車の本数が少ないため、車でなければ効率的に撮影することができない。集まった撮り鉄はマナーやルールを理解しているキャリアのある人たちだったので、問題が起きなかったのだと思います」
常にこうした撮影現場であればいいのだが。
(海野久泰)