ついに廃部が決まった、日本大学アメリカンフットボール部。その薬物事件の対応をめぐって辞任勧告されていた沢田康広副学長は、林真理子理事長に対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。賠償請求額は1000万円。沢田副学長は「混乱を避けたい」として、理事会から突きつけられた辞職勧告は受け入れる一方で、林理事長から合理的な理由もなく学内会議への出席を禁止されたり、辞任を迫られたりしたことがパワーハラスメントにあたる、と主張している。
「日大理事長に居座る林理事長との差し違え」も辞さない沢田副学長の反撃について、意外にも各テレビ局ワイドショーのコメンテーター達は「薬物事件の対応のまずさ」とは切り離し、副学長に勝機ありと言及しているのだ。
学長、副学長は一定の手続きを踏み、大学理事会の信任を受けた役職である。辞職勧告するには、学長と副学長からの反論も聞いた上でなければ、一方的な処分はできない。他の私立大学法学部に勤務する教職員に聞いてみると、
「副学長を締め出した『欠席裁判』での処分は、過去の判例から言って、パワハラ認定される公算が高い。副学長はそれを知っての訴訟でしょう。お粗末なのは日大理事会で、危機管理学部や商学部、他の法学部教授たちは『欠席裁判の違法性』に気が付かなかったのでしょうか。その程度で学生に何を教えられるのか」
さらに文壇関係者が声を潜めて言う。
「林理事長は直木賞や吉川英治文学賞などの選考委員も務めた大作家センセイでありながら、東証1部上場企業の取締役会の取材もしていないことがバレた。たとえ社内不祥事が起きても、当事者の弁明を聞くこともなく一方的に解任などできないことは、企業を舞台にした社会派小説を書いていたらわかると思うんですが…」
林理事長も、減給だけでは済まない手負いになりそうだ。