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大麻・覚醒剤隠蔽…日本大学「危機管理学部」が内閣府や防衛省にアドバイスというシャレにならないヤバさ

 日本大学アメリカンフットボール部の男子部員が大麻と覚醒剤を隠し持っていたとして逮捕された事件と、中国の軍事ハッカーが2020年以降、日本の防衛機密ネットワークにアクセスし、アメリカの同盟国である日本の軍事能力や計画に関する情報を収集していた事件――。

 一見、何の関係もないニュースに見えるが、5年前に日大が引き起こしたアメフト部の危険タックル問題や、前理事長脱税事件の際にズタボロ対応をして嘲笑を誘った日大危機管理学部の教職員が内閣府や防衛省、厚労省などでアドバイザー(委員)を担っていたとなれば、話は別だ。

 危機管理は航空業界や軍事業界から派生した学問だが、日大の危機管理学部の教職員一覧を見ると、東大を卒業した後、論文しか書いてこなかった受験バカがズラリと並ぶ。医療業界では医療ミス、ヒューマンエラーを防ぐプロジェクトで、必ず航空会社の危機管理担当者に意見を聞く。航空業界はパイロットと客室乗務員、乗客が一蓮托生。ネジ1本欠ければ数百人が死ぬ、最も危機管理にシビアな業界だからだ。

 日大の危機管理学部も防衛省幹部や自衛隊幹部、航空会社あるいは外資系コンサルタントやシンクタンクから指導教員を招くべきだが、18歳まで受験勉強三昧で、社会人になっても象牙の塔で学生や大学院生を相手にしているだけの東大出身者の「就職採用枠」になっている。そんな受験バカに「危機管理の実学」など教えられるわけもない。

 8月8日の日大の記者会見にしても、結婚式場のスピーチをしているかのような女性を進行役に起用するセンス。それでいて日本の新型コロナ対策やハッキング対策について政治家や官僚に助言しているものだから、日本の至るところ、発熱外来から国立科学博物館、マイナンバー、日米安全保障まで、現場は戦後80年経っても、いまだ「竹槍」で戦わされている状態だ。

 日大アメフト部の薬物事件にしても、保護者の通報があったにもかかわらず、1年以上「隠蔽」していたことが8月8日の会見で明らかになった。林真理子理事長、沢田康広副学長は自己弁護と「隠蔽を教育的指導」と言い換えることに終始し、学生を「薬物から守る気概と覚悟」はほとんど感じられなかった。

 保護者からすれば、我が子を大麻や覚醒剤から守りたい切実さから、理事長や警視庁に相談したのだろうに。林理事長以下、大学ぐるみで守ったのは、真面目にアメフトに取り組んできた選手ではなく、犯罪者の方だった。その結果のアメフト部、無期限活動停止。保護者と選手にとっては、どうにもやりきれない結末である。

(那須優子)

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