元楽天・安楽智大投手のパワハラ余波が収まらない。楽天の森井誠之球団社長は11月30日、楽天モバイルパークで記者会見を開き、一部で報道されていた後輩複数選手への暴力、下半身露出の強要など一連の問題行動を「ほぼ事実」と認め、安楽を自由契約としたと発表した。約10人が直接被害を受けたという。スポーツ紙記者が語る。
「森井社長は席上、他の選手からのパワハラ被害報告はなかったと言及しましたが、今回のパワハラ騒動に巻き込まれる形で株を下げることになったのは、田中将大投手でしょうね」
というのも、松井裕樹の500試合登板達成における記念撮影時に、安楽がチームメイトに後ろからケリを入れるのを見て、注意することなく笑っていた、とされているからだ。
田中は12月1日、X(旧Twitter)で、次のようにコメントを出した。
〈この度は皆様にご心配をおかけし、申し訳ございません。ハラスメントは許されないことです。球団のみならず、自分もチームの年長者として、もっと後輩たちの様子に気を配り、気軽に相談され、問題があれば率先して注意すべきであった、意識が甘かったと反省しています。
今回の問題については各選手と球団がしっかり話をしていると聞いていますが、自分としてはもう一度チーム一丸となってペナントレースを戦っていくことのできるよう、また、ファンの皆さんに安心して応援していただくことのできるよう、できる限りの力を尽くしていく覚悟です〉
前出のスポーツ紙記者は、
「ベテランの年長者たるマー君が、安楽の行為を見て笑っていたとなれば、ベテラン野手でもなかなか注意はできなかったでしょう。安楽のパワハラ余波が、マー君の200勝達成に影を落とす可能性はありますね。『あと3勝、マー君を勝たせて男にしよう』と奮起する後輩はどれだけ出てくるか…」
球団フロントは「安楽から被害選手への謝罪の場を設けるためのサポートをする」という「悪手」に出ると発表した。加害者と被害者の同席は、イジメやパワハラ対応で絶対NGといわれる。加害者は謝罪で済んだとしてそれ以上の反省や贖罪もせず、被害者はイジメ被害がフラッシュバックし、生涯癒えぬ心の傷を負うこともあるからだ。
宝塚歌劇団の親会社たる阪急阪神HDにしても、楽天にしても、大企業が親会社なのに、どうしてパワハラ対応がこんなにまずいのか。