今年の大晦日に放送される特番の全容が出揃った。年末の風物詩「NHK紅白歌合戦」は、ジャニー喜多川氏の問題を受けて、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)のタレントが一掃され、K-POPや実績のない若い世代向け歌手が多数選出されたことで、視聴率の大幅な下落が予想されている。
民放では日本テレビがナインティナインをMCにした「笑って年越し!THE笑晦日」、テレビ朝日は長嶋一茂、石原良純、高嶋ちさ子による「ザワつく!大晦日」、TBSは「WBC2023 大晦日・生放送スペシャル」、フジテレビは「逃走中~お台場リベンジャーズ~」、テレビ東京は「年忘れにっぽんの歌」というラインナップになっている。
目玉不在で全放送局が低視聴率の地盤沈下も懸念されるが、消去法でまだ視聴者に見られる可能性があるのが、独自色の濃いTBSだという。テレビ誌記者が言う。
「3月に開催された284日前の野球大会にスポットを当てるという斬新な勝負が、もしかすると吉と出るかもしれません。WBCで払った高額放映権料の元を取るための特番と言われていますが、意外にCM出稿が順調で、ナショナルクライアントがスポンサーについたといいます。大谷翔平にかなりの時間を割いて、制作サイドが女性視聴者も引き寄せようと努力していますよ」
初出し映像も使い、中居正広のMCで進行する。WBC出場選手が生出演するほか、マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務める、イチローのインタビューも放送される。
「問題は放送時間です。2~3時間程度なら需要はありそうですが、実際は6時間もの長さ。ダラダラとWBCのことを放送する内容に、退屈感が出てくる可能性はある。他の番組を作る余力がなかったのか、玉砕覚悟なのか、何も考えていないのか。WBCだけで押し切るのは少し無理があるような…。時間帯によって、視聴率の大きな波が生まれそうです」(前出・テレビ誌記者)
テレビ局の尊厳とプライドをかけて制作すると言われる大晦日特番。はたして勝利の女神はどこの局に微笑むのだろうか。
(佐藤恵)