1次リーグ4連勝と勢いに乗る、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の躍進に引っ張られるように、地上波テレビ中継局の視聴率も、うなぎ登りとなっている。
3月10日に注目の日韓戦を中継したTBSは平均世帯視聴率が44.4%と、WBC中継歴代最高をマーク。一方で、後を追うように中継したテレビ朝日は43%台と僅差で敗れたが、テレビ朝日局員は、
「戦略的にはこれでOKですよ」
とほくそ笑む。どうしてなのか。
「ウチは現在、視聴率の年間3冠王を目指して他局と争っていますが、日本テレビと同率首位に並んでいます。確かにTBSに負けてしまったのは悔しいけど、まだ準々決勝や決勝という驚異的な視聴率を見込めるチャンスも残されている上、TBSの中継日は日本テレビの視聴率もかなり悪かった。日テレの体力を削ってくれたTBSにはむしろ、感謝しているくらいです」
そういえば以前、在京テレビ各局がWBCや五輪、サッカーW杯で高視聴率が出た時にはお祝いとして、社員食堂が無料開放されたり、局員には金一封、外部スタッフにも図書カード数万円が配られた時期もあった。
「いや、今はそんな余裕もないですけどね。ただテレビ朝日はWBC最高視聴率なら、早川会長のトップダウンで社員食堂開放くらいは実現しそう」(前出・テレビ朝日局員)
侍ジャパンへの期待は、グラウンドを離れても大きい。