WEST.(元ジャニーズWEST)が、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)所属アーティストで最初に改称した。次は、そのWEST.の先輩にあたる関ジャニ∞、さらにSexy Zoneが改名を公約している。
関ジャニは、KinKi Kidsに続いて関西発のジャニーズグループで2番目に人気を得たグループ。関西ジャニーズJr.発でメジャーデビューした第1号でもある。しかし、セールスのされ方はKinKiと真逆だった。
KinKiは1997年のデビュー時にレコード会社「ジャニーズ・エンタテイメント」が創設され、プロモーション費用に3000万円も投じられた。デビューシングル「硝子の少年」とアルバム「A album」を同時リリースし、ともにオリコン初登場第1位を獲得。シングルは累計売り上げ178万枚を突破し、以降のシングルはすべて初登場1位。デビューシングルから46作連続で初登場1位は、ギネス世界記録に認定されている。
対する関ジャニは、「関ジャニ8」の名義で2004年8月に関西限定で演歌「浪花いろは節」でCDデビュー。ジャニーズ42年間の歴史(当時)で演歌は初だった。所属レーベルは、人気演歌歌手を多く抱える老舗のテイチクエンタテインメント。デビューCDは翌9月に全国発売された。
しかしその後も「関西のジャニーズ」という呪縛から解放されなかった。2枚目の「大阪レイニーブルース」、3枚目の「好きやねん、大阪。」、4枚目の「∞SAKAおばちゃんROCK」、5枚目の「関風ファイティング」と、およそ2年間にわたって縛られつづけた。転機は、「∞SAKAおばちゃんROCK」のカップリングソング「大阪ロマネスク」だった。
「コテコテで明るい関西ソングばかりだった関ジャニとっては珍しいバラードで、アルバムからシングルカットされました。デビュー10周年で行なったファン投票で1位を獲得するほど、支持率はぶっちぎり。18年に脱退した渋谷すばるが、アルバム収録曲として最後にレコーディングしたのが『大阪ロマネスク feat.葉加瀬太郎』。最後に7人(当時)でテレビ歌唱した歌でもあります」(エンタメ誌ライター)
「関西縛り」から解放されるために、歌にバンド、コントに芝居と全力投球。その地道な努力と挑戦が実を結び、関ジャニのコンサートはおもしろいと業界内外で好評に。今ではドームクラスさえチケットが入手できないほどの国民的グループとなった。
「オールジャンル対応型になったため、リハーサルにもお金がかかる。ダンス用とバンド用で、リハ室を常時2つ押さえなければならないそうです」(前出・エンタメ誌ライター)
同じくバンドも行う二刀流の先輩だったTOKIOは、山口達也と長瀬智也の脱退にともなって音楽活動の継続を断念。同世代の嵐は、グループ活動を休止している。そんななか関ジャニは来年、デビュー20周年記念となる。新たな仕掛けに期待がかかる。
(北村ともこ)