M-1常連だった人気漫才コンビ「和牛」が2024年3月末をもってコンビを解散することを発表したのは12月12日。2人は今後も吉本興業に残り芸人として活動していくというが、今年はお笑いグループの解散がなぜか多い。
1月にはコウテイ、オドるキネマ、4月にはジュリエッタ、5月にはコマンダンテ、なにわスワンキーズ、6月には竹内ズ、スタンダップコーギー、11月にはゾフィーが解散。12月にはANZEN漫才が来年3月での解散を発表している。
実績のあるコンビが多く、コウテイはM-1グランプリ準決勝(20年、22年)に2度進出。コマンダンテは「ytv漫才新人賞」(16年)で優勝。ゾフィーは「キングオブコント」ファイナリスト(17年、19年)。竹内ズは「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で「日本一の不仲芸人」として知名度を上げ、ANZEN漫才はボケ担当・みやぞんが2016年に「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)に出演後、大ブレークしている。
なぜ人気コンビが次々と解散していくのか。その理由について19日放送「朝生ワイド す・またん!」(読売テレビ)に出演した芸能記者・中西正男氏が解説していた。
中西氏は、コンビそれぞれの事情があるので一概に共通項があるわけではないとしつつ、一つの要因として「チャンピオン過多」を指摘。
中西氏によると、今は全国レベルの賞レースがたくさんあり、チャンピオンだけでも年間に5、6組は出る。それにプラスして、決勝まで行って準優勝して話題になったコンビもいる。年間に10組ぐらいチャンピオン、準チャンピオンができ、それが10年だと100組。しかし一方、そこまで劇場、テレビの出番の数は増えていないという背景がある。
「チャンピオンになってもなかなか売れにくいという状況があったら、先行きどうしたらいい?と思う芸人さんが増えるのも…(無理はない)。賞レースが悪いわけじゃないけど、それが現実ということ」
と中西氏。お笑い界の競争は過酷なようだ。
(鈴木十朗)