最近よく見る面白動画のひとつに〈シャワーで頭をいくら洗ってもシャンプーを洗い流せない〉というイタズラ企画がある。仕掛け人が頭上から、シャワーを浴びている人にシャンプーをかけ続けるというシンプルなイタズラだ。これに似たお遊びというか、面白さを勘違いしたゆえの愚行が、芸人の世界にも古くからある。あまりマネはしたくない内容だ。
それはシャワーの代わりに小便をかけ続けるという、まさかの行為だ。駆け出し時代、ロンブーの田村淳はココリコの遠藤章造に、このどぎついお遊びを仕掛けた。淳が振り返る。
「俺はとにかく仲良くなりたかったから、遠藤さんのそばにずっといた時にもっと仲良くなりたくて、一緒にお風呂入らせてくださいって(笑)。それで一緒にお風呂入った時に、お近づきの印で小便をかけた。遠藤さんに『あのな、先輩にな、小便とかかけたらアカンねんで』って言われて。優しく教えてくれて」
さらには、余罪も明かした。
「もう、シラフでかけてるから。亮さんにもかけたことあるね」
この淳の告白を傍らで聞いていたのが、千鳥のノブだった。
「酔った勢いでかけたとか? シラフで? 凄いなぁ」
驚いてみせたが、実はノブ自身も、先輩にかけていた痛い過去がある。被害に遭ったのは、麒麟の田村裕だ。
「ボクが洗っている途中で、頭に水が流れてきたんですよ。ノブが水を流してくれているんだと。優しいヤツだな…と見たら、こいつションベンしとったんですよ! 先輩の頭に」
どうやら全力で怒っている。今でこそノブはMCとして芸人たちのじゃれごとを収拾する役割を担うが、駆け出し時代は試行錯誤していたのである。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作など。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。