ブームになっていた「クズ芸人」のジャンルが衰退しつつある。多額の借金を抱えていたことがネタだったヒコロヒーは大人気タレントとなり、岡野陽一は彼女と夢のタワマン生活。蛙亭の中野周平やザ・マミィの酒井貴士は結婚して、借金で人生が破綻というキャラが崩壊した。
そんななか、M-1王者の「借金大魔王」霜降り明星の粗品の鼻息はいまだに荒い。これまで、趣味のギャンブルで1日数百万円をゲットしては溶かしてきた。正月には2412万3700円を一攫千金したことをXで公開。即日、能登半島地震の義援金に充てて好感度を上げた。演芸ライターは言う。
「これまでも多くの寄付をしてきたので、粗品のなかでは珍しいことではありませんが、借金はキープ。昨年はYouTubeで給料の大半を借金返済に充てていることを明かしています。給料日のわずか5日後に給料の10分の1しか手元に残っていないとかで、内訳は区民税と都民税、家賃、ジムの会費など。税金だけで、月に100万円以上あるそうです」
昨年は水道を止められる寸前だった月もあった。年末の特番では、ボクサーに転向した那須川天心から50万円貸していることを暴露されている。かねてからギャンブル好きで基本、人から金を借りてまでする。昨年は、吉本興業の子会社が経営する金融機関・よしもとファイナンスからの借り入れ累計が5000万円を超えたことを報告。返済はしているが、まだ2500万円は残っているという。
「よしもとファイナンスは、芸人という不安定な職業上、普通の金融機関だと審査が下りない芸人に金を貸すという名目で作られましたが、元金や金利が給料から天引き。芸人で儲けている大会社が芸人から『吸い取る』システムはかなり不評です」（前出・演芸ライター）
粗品は、借金もコンテンツ化してしまう。超暴利闇金融の世界を描いた人気漫画「闇金ウシジマくん」の作者である真鍋昌平氏からも25万円ほど借りたまま。YouTubeの企画を通じては、俳優の宮崎美子から100万円をゲットした。借用書を書いているが、返済期日は当たり前のように過ぎている。宮崎には「踏み倒しますよ」と事前告知しているために催促されないが、マネージャーからは連絡が入った。それも当然のごとく、無視だ。
昨年の負債総額は1億円近く。それでも寄付は「別腹」の考えを貫く。粗品にとっては、人生そのものがギャンブルなのかもしれない。
（北村ともこ）
