2月14日はバレンタインデーだが、SNSでは「#平成女児チョコ」なるワードがトレンド入りしている。これはいわゆる、平成時代に小学生だった女性たちによる、バレンタインのための手作りチョコレートのことだ。
作り方は、溶かした板チョコをハートや星などの形をしたアルミホイルに流し、アラザンなどで飾り付けをする、いわば「デコる」「盛る」といった、平成を象徴する見た目である。
この「#平成女児チョコ」の登場に「懐かしい」「私も小学生の時、作りました」と、当時を懐かしむ女性たちによって、瞬く間に拡散された。平成生まれのフードライターが言う。
「最近は100円ショップなどでも簡単に手作りできるキットが売られていますが、平成のバレンタインの手作りといえば、溶かして固めるだけのレシピが一般的でした。ラッピングの種類も今ほど多くなく、透明なセロファンにリボンをつけた、簡素なものでした。不便だけれど、懐かしかった平成の手作りチョコレートに当時、小学生だった女性達が盛り上がっているようです」
当時のバレンタインは、学校に持っていって、友人に「友チョコ」を配ったり、放課後に好きな相手に渡したものである。では、今の小学生のバレンタイン事情はどうなのか。都内在住で、小学4年生の娘を持つ30代の女性に話を聞くと、
「うちの娘は好きな子に手作りをあげたいと言うので、何を作るのかと聞くと、チョコチップが入ったカップケーキでした。平成女児チョコ世代の私からしたら、全然映えないけれどいいのかと聞くと『(映えよりも)美味しい方がいい』と言われましたね。小学校はバレンタインのチョコレートを持ち込むのは禁止なので、一緒に相手のお家まで届けに行きます」
聞けば、コロナ禍で手作りのお菓子は長い間、渡すのを控えていたという。最近、やたらと注目される平成リバイバルは、バレンタインのチョコレートにも取り入れられているようだ。ただし、令和の小学生とは真逆の傾向のようにも見えるが。
(カワノアユミ)