Amazonの配達が、すこぶるおかしなことになっている。
月曜日の朝4時50分に、玄関のインターフォンが鳴らされた。イタズラか変質者の仕業かと思ったが、しつこく鳴り続ける。その後、インターフォンの録画を見たら、Amazonの配達員が映っていて、商品が玄関先に雨ざらしで置きっぱなしになっていた。おかげで寝不足を引きずったが、苦情を入れようにも、AIの自動音声と外国人オペレーターの「わかりません」が繰り返されるのみ。
翌火曜日には同じくAmazonの配達員から携帯電話に「住所表記に該当がないので配達を取り止めました」というショートメッセージが入っていた。2週間前には「宅配ロッカーに入れました」と配達完了の知らせがきたが、自宅にも近所にも宅配ロッカーはない。商品は行方不明のままで、返金依頼したばかりだった。
連日のトンデモ対応にしびれを切らし、Amazonジャパン合同会社に説明を求めたが、外注先のオペレーターから先に進まず、折り返しの連絡もなし。Amazonの配送業務が、全国的に混乱しているらしい。
長崎県を拠点とする個人事業主の配達員ら約20人が3月8日、Amazonジャパン合同会社に対し、ストライキを決行した。Amazonの配達業務は1次下請けに配送業務を発注、実際に配達してくれる配達員は2次下請けから業務委託されたフリーランスの個人事業主ドライバーで、いわば孫請けだ。
今回のストライキは、1次下請け会社が埼玉県にある2次下請けとの契約を一方的に打ち切ったのがきっかけ。2次下請けから業務委託されているドライバー200人が、失職するおそれがあるという。どこかが配達員の人員を誤魔化し、ピンハネしているから配達員が朝4時台から動く事態になっている…というのは邪推だろうか。
Amazonのヘビーユーザーからすると、1次下請けと2次下請けに「中抜き」など存在してほしくはない。Amazonプライム年会費5900円から、1円たりとも持っていかれたくないのだ。と同時に、朝4時台にインターフォンを鳴らすような、ブラック業者とも契約してほしくない。
様々な不都合と不条理を排除し、真面目に働く配達員やメーカーに相応の対価を支払ってもらいたい。そう思うのが筋だろう。
(那須優子)