徳島県で発行する地方新聞「徳島新聞」が分社化をめぐり、大モメしている。3月14日午後2時から、社員がストライキを起こす事態に発展しているのだ。事情に詳しい地元経済関係者によれば、
「会社側はこれまで一般社団法人として組織を作り、新聞を発行していましたが、今度は株式会社徳島新聞社を新たに設立して編集部門を分社化し、新卒社員を所属させる方針を固めた。給与水準は従来より3割以上、ダウンする見込みです。これまで会社側は労働組合に、給与の改善は提示しましたが、分社化自体は推し進めることから、溝が深まった。ただ、15日の新聞発行やネットニュースは通常通りのため、労組側のアピールにも見えます」
売り上げが伸びず、困窮している新聞社は少なくない。
「阪神ファン御用達のデイリースポーツは以前、親会社の神戸新聞と同じ給与水準でしたが、子会社を作って、社員はそこで採用。給与は従来の7割程度だったため、優秀な記者は他社に引き抜かれています。東西で運営会社が異なる日刊スポーツは、東西両方で新たに子会社を設立して、記者を兼務出向させている。今までは東京採用なら大阪、福岡などで仕事をすることはありませんでしたが、完全フラットになり、人事交流が活発になってきた。ただ、こちらも近く、給与水準を下げるとみられています」
なんとも世知辛い話である。