5月6日に東京ドームで行われる、ボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ。4階級制覇王者の井上尚弥と、世界2階級制覇王者のルイス・ネリの対戦である。
ネリは2017年8月、当時WBC世界バンタム級王者だった山中慎介と対戦したが、後日ドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出たことが判明。さらに翌年に行われた再戦では、4階級も上にあたる6.5キロの体重オーバーで試合に挑み、日本国内では無期限資格停止処分となった。
一時は井上との試合が成立するのか不安視されていたが、3月21日にネリのプロモートに関わるビバプロモーションズが「ドーピング検査をクリアした」と発信。開催に向けて、一歩前進した。
そんな中、Amazonプライムが井上とネリの試合の模様を独占ライブ配信すると発表。ボクシングファンから歓喜の声が上がっている。
井上の試合をめぐっては、2021年12月のアラン・ディパエン戦が「ひかりTV(現Lemino)」で国内初の配信となり、多くのファンがアクセスした。ところが画面構成や画質など、これまでのテレビ中継には遠く及ばず、不満が上がっていた。
昨年、井上が所属する大橋ジムは「Lemino」とスポンサー契約を締結しており、5月の井上の世界戦も配信されるとみられていた。
「Leminoは以前のdTV時代からシェアを急速に低下させており、ドコモユーザーがメインであることから、他の映像配信サービスを求める声が少なくありませんでした。一方、Amazonプライムは普段の買い物で利用している人が多く、視聴のハードルはかなり低い。3月にはWBCで侍ジャパンの強化試合2試合と本戦の全試合をライブ配信し、スポーツ中継のネット視聴が一気に進みました。井上のタイトルマッチは独占ライブ配信されるため、記録的なヒットになるのは間違いないでしょう」(映像配信メディア関係者)
Amazonプライムビデオは今年1月、キックボクシングで42戦全勝後、プロボクシングに転向して連勝する那須川天心の試合を独占ライブ配信し、多くのファンがスマホを片手に視聴した。ファンとしては、同じ映像配信ならLeminoよりAmazon、というわけか。
(ケン高田)