昨今、NHK紅白歌合戦でも数多く登場するようになった、K-POPアーティスト。とりわけ男性グループの中には、日本のアイドルグループをもしのぐ人気と集客力を持つものが目立つ。
熱狂的な女性ファンは「推し活」に精力を注ぎ、韓国に行ったりもする。ところが、だ。K-POPアイドルは特有の「事情」を抱えていることで、ファンの行動を左右するのである。
韓国では兵役法の第3条第1項で「大韓民国の国民である男性は、兵役の義務を誠実に遂行しなければならない」と定めている。韓国男性にとっての兵役はどんな職業であれ、避けては通れない道。それはもちろん、K-POPアーティストら有名人とて同じだ。
兵役の服務義務は現在、陸軍が1年6カ月、海軍が1年8カ月、海兵隊は1年6カ月。さらに空軍1年9カ月、社会服務要員は1年9カ月とされている。例えばメンバー全員が兵役に就いた7人組グループのBTSは、2025年に全員が兵役を終える予定となっている。
「兵役はメンバーとファンとの絆を試す試練とも呼べる」
あるグループのメンバーはかつて、こう言ったというが、では兵役に行ってしまう「推し」たちが無事に戻ってくるまで、K-POPファンはただ黙って待つだけなのか。
いや、その間にやるべきことがたくさんある…として「33の行動」を示すガイド本がある。このほど発売された「待ち活33 K-POP 推しが兵役から戻るまでにしたいこと」(徳間書店)を見てみると、そのラインナップは多岐にわたっていた。
「これまでの出演作や映像、聖地をリストアップして巡り、兵役について学び、コミュニティーを覗いてみたり。はたまた推しの発信をチェックし、韓国語フレーズを覚え、韓国料理やK-POPダンスを習いに行ったり、美容に精を出したり、仏像を彫ってみたりも。さらには思い切って韓国へ…などというものです。ん、仏像を彫るとはなんぞや、と思った人には非常に興味深い内容でしょうね。待っているのにワクワク感が増幅し、思ってもみない世界をさらに深く知ることになる。そのための『33の行動』を示したもので、K-POPファンにとっての新しいバイブルと言えるかもしれませんね」(韓国アイドルを取材する芸能ジャーナリスト)
ほかにも「不遇の恋愛を描くドラマや映画を見る」「推しがやっていた社会奉仕活動を始める」「自家製キムチを作る」「K-POPダンススクールに通う」「韓国語ファンレターを出す」などという提案が。
「待ち活」もまた、楽しいものなのである。