今後はこれがスタンダードになっていきそうだ。テレビ東京が旅番組での「列車内映像が使用できない問題」について、新たに解決策を見出した。
そもそも「列車内映像が使用できない問題」とは何か。テレビ誌記者が解説する。
「バス旅をはじめ、テレ東の旅番組はバスや鉄道をよく利用しますが、バスの車内映像はあっても、列車内はないことがほとんど。列車内は音声と列車の走行シーンの映像を組み合わせています。理由は鉄道会社から車内での撮影許可が下りないからで、特にJR各社は顕著です」
それを解決したのが、4月20日の「土曜スペシャル」(テレビ東京系)で放送された「自販機グルメはしご旅」だった。
高島礼子と酒井美紀が群馬県の桐生駅から前橋駅までJR両毛線に乗って移動すると、2人がシートに腰掛けた車内での写真と音声が流れたのである。これなら動画ほどではないにしても、車内の雰囲気は伝わってくる。
この手法は4月10日の「水バラ」(テレビ東京系)で放送された「バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」でも見られた。
村井美樹ら鉄道チームが館山駅からJR内房線で移動中、車内の写真と音声が流された。この時は車内で真飛聖が地図を忘れたことがわかり、大騒ぎに。その雰囲気を少しでも伝えようと、この手法が用いられた。
今後は写真と音声の併用がスタンダードになりそうだが、週刊誌記者は問題点を指摘する。
「テレビ東京は車内の動画はダメでも、写真ならOKという判断をしたようですが、NGなのは『動画の使用』ではなく『車内での撮影』なので、写真も使えないはず。現に週刊誌の記事のために車内で写真の撮影を申請しても、許可は下りません。新手法はグレーゾーンをついたやり方ではないでしょうか」
今後の旅番組はどうなるのか。鉄道利用を促進する旅番組のためにも、鉄道会社には車内撮影を許可してほしい。
(鈴木誠)