昨年9月から産休に入っていたテレビ朝日の弘中綾香アナウンサーが復帰した。「待ってました」という感じだ。
正直、結婚報道が出た時には「マジかよ…」と絶句した。当初、お相手は一般男性という話だったが、実はベンチャー企業の社長でウン十億の資産を持っていると判明すると「どこが『一般』なんじゃ!」と憤ったものだ。が、やはり弘中ちゃん不在のテレ朝は、どうにも寂しいものだった。
復帰一発目は、4月30日放送「1泊(わんぱく)家族SP」だった。それに伴い、テレビ朝日公式YouTubeチャンネルに「祝復帰・ママになった弘中アナに質問会」と題する動画がアップされた。
産休前となんら変わらない弘中ちゃんと、ノブ(千鳥)がやり取りする。
ノブ「ママに見えない。子供が生まれて何か変わった?」
弘中「仕事へのモチベーションが変わりました。もっと働きたいって思いました。復帰が待ち遠しかった」
ノブ「もう全レギュラー番組に復帰するの?」
弘中「そうです」
番組復帰の順番として、放送日は「1泊(わんぱく)家族SP」が先になるが、収録は「激レアさんを連れてきた」の方が、ゲストのブッキングがもたないとの理由から、先に行われていたという。
「激レアさん」は、毎回さまざまな分野の「激レアな体験をした人」の成功・失敗談を聞く番組で、弘中アナは進行役のみならず、ゲストのエピソードを紹介する際に使用するボードや模型、グラフといった小物の類も手作りで準備している。
「研究員」という役回りの若林正恭(オードリー)もレギュラー出演していて、紹介される「激レアさん」の体験談も毎回興味深いのだが、こちらとしては「白衣姿の弘中ちゃんを愛でる」という趣旨のもとに見ており、今回の復帰の中でも、個人的に最も楽しみにしている番組だ。
しかし、ひとつ残念なことも。この「激レアさん」、弘中アナが不在の間は、テレビ朝日の女性アナウンサーが代わる代わる進行役を務めていたのだが、時おり「スペシャルゲスト研究員」と称して、女子アナ以外の有名人が登場することがあった。
中でも、桜井日奈子が代役の回がとりわけ秀逸だった。およそ女優とは思えないほどに吹っ切れ、パワー全開のハキハキとした進行を見せて、非常に好印象だったのだ。この回は視聴者や関係者にも好評だったようで、それが証拠に、桜井は「スペシャルゲスト」枠で唯一、2回の代役を務めている。
彼女自身も2回目の出演時には「これまでやってきた仕事の中でいちばん褒められました」と嬉しそうに報告。事務所の社長から「あんたはこっちかもしれないね」と言われたことも明かしていた。
それだけに、弘中ちゃんの復帰は嬉しいけれど、「岡山の奇跡」と華々しくデビューしたものの、さほどパッとしなかった桜井の輝く場所がようやく見つかったというのに、それが見られなくなるのは実にもったいない、と…。
というわけで、テレビ朝日には弘中ちゃんのレギュラー番組の存続とともに、新たに、桜井日奈子が司会進行を担当する新番組を、深夜の「バラバラ大作戦」枠あたりでいいので、やっていただきたい。その方が、見飽きたお笑い芸人を起用した既視感ありありの番組なんぞよりも、よっぽど訴求効果は高いはず。
(堀江南)