6月14日、高松宮記念杯の4日目。前日まではガールズのGIパールカップが行われたが、6日間開催の残り3日間は、男子の記念杯だけになる。
同行の大阪のボート君は、6Rで9000円近い配当の2車単を的中させ、気をよくしている。こちらは5R、6R、7Rと続けてドボン。このままズルズルと負け続けるのかと、やや意気消沈である。
だが競輪、中央競馬、地方競馬、ボート、オート92場を回って全敗したのは、昨年出かけた高知競馬くらいなもの。場所替え、種目替えをしても、トリガミだったにせよ、まったく当たらなかったのは稀有だ。そのうち当たるだろう、という余裕もかすかにある。実はギャンブルではそれが大事だ。
次の8Rは、翌15日の西日本地区の準決勝に進むための2次予選だ。
①三谷竜生36奈良101期
②清水裕友29山口105期
③伊藤 旭24熊本117期
④桑原大志48山口80期
⑤谷口遼平30三重103期
⑥神田紘輔38大阪100期
⑦山口富生54岐阜68期
⑧渡部哲男44愛媛84期
⑨山田英明41佐賀89期
ライン構成は前から三谷―神田の近畿勢、清水―桑原―渡部の中四国勢、伊藤―山田の九州勢、谷口―山口の中部勢になった。この中で格上は、昨年のベストナイン、S班の清水。ここは3着までに入って、準決勝にコマを進めたいところ。
先行するのは谷口の可能性もあるが、勝負どころの思い切りの良さなら清水で、最終的に先頭を走っているのではないか。マークする同県の先輩・桑原は清水についていくだけ。最後、恵まれる。48歳、ベテランの桑原は勝負強く、意外性もある。本線だが、まずここに的を絞る。
もう一人、期待したいのは三谷だ。近況は大敗がなく、先行争いをマクって車券に貢献している。このレースは清水と谷口の先行バトル濃厚。三谷が中段を取って、最後にマクリを炸裂させる…。
車券は3連単で1着①固定、2着②③④、3着②③④⑥⑦の12点、1着④固定で2着①②③、3着①②③⑥⑦の12点、各300円で計7200円とした。
レースは清水が早めに動き、残り2周でハナに立つと、そのまま逃げ態勢に。中四国3車の後位には、近畿勢が入った。清水がハイスピードで逃げ、谷口、伊藤のマクリは不発。三谷が4コーナーでインを突いて清水、桑原に迫る。ゴールは桑原が差して1着、粘った清水が2着、3着に三谷。読み通りの結果になった。
④②①9690円を的中させた。本線が勝ったのに、この配当はオイシイ。だが、もし①が2着に突っ込み、④①②になっていたら2万5890円だった。清水と三谷の着差は4分の3車身。競輪では微差とか8分の1車輪の着差が珍しくないから、この着差は惜しいとは言わないが、車券的には紙一重だった。それでもボート君には「3万円の払い戻しですよ。ええんと違います?」と言われた。「そうでんな」ってとこか。
9Rは人気サイド、10Rは失格があってレースが荒れ、3連単は4万円を超える配当になった。
11Rは春先に単独インタビューした北井佑季が出場する、東日本のNo.1を決める青龍賞だ。もちろん北井からも買ったが、このレースの北井は南関4車の先陣を切るレースで、後続3車の連独占に貢献する走りに徹した。
北井はこの大会で初タイトルを獲得することができたが、4日目のこの貢献があって、優勝につながった。こういう駆け引きは、ギャンブルの中でも複雑な競輪ならでは。奥深さの所以だ。
12Rの白虎賞は、記念杯3連覇を狙っていた①古性優作から。このシリーズの古性は岸和田がホームバンクだけに、気迫が違っていた。だがその一方で、復調気配の②脇本雄太からも少々買っておこうと。結果は③連単②①③、4250円。これをゲットした。
とはいえ、トータル1万4000円のマイナス収支に。悔やまれるのは、⑧を車券に加えていたら高配当的中だった6R、④②①ではなく④①②で決まっていたら3倍の配当だった8R。タラレバ2連発で終了である。
帰りは南海本線の堺駅で降り、駅前の「魚民」で反省会を兼ねた打ち合わせとなった。
(峯田淳/コラムニスト)