例年、競輪の初打ちはG3立川記念と決まっていたが、今年は立川記念がなく、G3は大宮記念からのスタート。だが諸事情で参戦できず、初打ちは関西のG3の第一弾、1月11日からの和歌山記念「和歌山グランプリ」となった。
和歌山G3は関西でも最も馴染みのある大会になり、昨年は現地からの生配信にも出演した。配信スタート前、午前中には貴志川線の猫駅長がいる喜志駅まで足を伸ばし、二代目たま駅長を見て写真を撮り、たま駅長のTシャツを購入して帰ってきた。
和歌山は言わずと知れた、みかんの産地。トレードカラーはオレンジと決まっている。たま駅長のTシャツは鮮やかなオレンジ色に、イラストが描いてある。そのオレンジTシャツを着て盛り上げることができた、と思う配信では、2人のYouTuberと車券バトルを行った。助走の6~8Rが的中し、本チャン10~12Rの準決勝3番勝負は3連勝の圧勝だった。
和歌山競輪は風光明媚な競輪場のひとつ。バック側の裏を、紀の川が流れている。左に北島橋がかかり、右には南海本線が走る。その隣に紀の国大橋が見える。冬場は風が強い時もあるが、紀伊水道の海につながる、のどかな光景が広がっている。利用するのは南海本線の和歌山市駅で、競輪場へはその線路沿いをテクテク歩く。この時がまた、旅打ち気分を満喫できる瞬間でもある。
和歌山は魚の種類が意外なほど豊富で、ことのほかうまい。昨年は配信前日、久しぶりに締めの和歌山ラーメンまで辿り着いた。魚介類の出汁が濃厚で、地元の醤油が決め手の中華そば風だ。翌日は車券も当たって万々歳だった。
そんなわけで、今年もできれば現地に出張したいと思ったのだが、1月13日、開催3日目に東京からの配信となった。メンバーは3人。YouTube「おしゃすパーク」のおしゃすと、YouTuberの立川みくの、そして最近では周囲から「師匠」と呼ばれる峯田(私です)である。
昨年8月に和歌山競輪で大阪・関西万博協賛のG3が行われたが、その時も夕刊紙の企画で「おしゃすパーク」から、同じメンバーによる配信をやっている。今回はその第2弾となった。
おしゃすは元々、吉本芸人だった。それがギャンブル系YouTuberになり、今では競輪にドップリとハマッている。みくのもギャンブル系で、江頭2:50に汚部屋を直撃されたYouTube動画が話題になった、GカップあるいはHカップの人気YouTuberだ。競輪は前回の配信時が初という若葉マーク。これから化けるかもしれない逸材(?)である。娘ほどの年齢差のみくのちゃんの胸はポニョポニョというよりパッツンパッツンの弾力系で、触れたら思いっきり弾き飛ばされそうだ。
前回はおしゃすがヒットを飛ばし、一人勝ち。はたして今回は…。
おしゃす、みくのの2人に、レース展開を解説する。その横で「これに決めた、ヨシッ」と、みくのがいきなり叫ぶ。前回と比べると、かなり読みがうまくなっている。
「いいセンいってるね」
「あざっす」
おしゃすは「レース展開について師匠にもっと教えてもらいたいっすよ」と言う。おしゃすも最初に会った頃と比べると、格段に車券の買い方を心得ているのがわかる。おしゃすには前回やられているし、油断できない。
9R。3連単3番人気の②⑦⑨1130円を、みくのが的中させた。だが「ここまで遅れそうと思って、タクシーで来たんすよ。これじゃ足りない」と不満げである。ま、そういう闘争心が次につながるのだ。
10R。師匠の解説の賜物なのか、2人が上達しているのか、いずれも似通った車券を買っている。結果はドボン。1着の山田英明をマークした、同じ佐賀の山口敦也は最後、付き切れないと考えて蹴っ飛ばしたら2着に。3連単は1万4670円の好配当だった。
11Rは大荒れで、3連単が32万7170円の大穴になった。格上、S級S班の佐藤慎太郎が地元の古賀勝大に終始絡まれて、4着に沈んだのが原因だ。配信中に「②③⑤⑦⑨のBOXを買います」とコメントしてきた人がいた。出目は②⑦⑨だから的中だ。みんなで拍手して祝福した。
そして12R。2023年にG1タイトルを3つ獲得した古性優作と、地元の総大将・東口善朋で仕方がないレースだ。そして結果も、東口と古性のワンツー、3着はラインの藤田勝也。このスジ車券は3連単930円。全員ゲット、である。
儲けることはできなかったが、終わりよければ…で終了した和歌山G3の初打ちだった。
(峯田淳/コラムニスト)