日本野球機構(NPB)は7月4日、「マイナビオールスターゲーム2024」の選手間投票結果を発表した。
ファン投票で選出された選手以外では、パ・リーグからは山川穂高、栗原陵矢(ともにソフトバンク)、外崎修汰、源田壮亮(ともに西武)、ポランコ(ロッテ)が、セ・リーグからは戸郷翔征(巨人)、サンタナ(ヤクルト)が新たに選出されている。
結果、ファン投票と選手間投票で選手が一人も選ばれなかった球団は、オリックス、楽天、広島の3球団だった。リーグ3連覇のオリックスと、今年の交流戦で優勝した楽天からゼロは寂しいが、現在はチームがBクラスに沈んでいることから、この結果は仕方がないかもしれない。問題はセの首位を走る広島から、ついに1人も選ばれなかったことだろう。野球記者がその詳細を分析する。
「選手間投票の結果を詳しく見てみましょう。セの投手部門は戸郷以下、阪神の才木浩人が2位、DeNAの東克樹が3位でした。広島には大瀬良大地以下、戸郷より防御率のいい先発投手が3人いますが、それで票が分散してしまったことと、ノーヒットノーランを達成した戸郷のインパクトに負けた可能性があります。野手では、盗塁王を争っている矢野雅哉と小園海斗が遊撃部門の2位と3位。やはり同ポジションで投票が割れてしまい、ファン投票で選出されているヤクルトの長岡秀樹に及びませんでした。もちろん監督推薦で複数の選手が選出されるはずです」
確かに好成績の選手は多いが、他チームの選手にインパクトを残すような選手はいないということか。だが、これこそが優勝候補筆頭の強みだと、在京スポーツ紙デスクはうなるのだ。
「一部の選手の抜きん出た成績で勝っているのではなく、今年の広島がそれぞれの選手が持ち味を発揮して総合力で勝っている証拠です。このタイプのチームは、誰かが調子を落としてもガクッとチーム成績が落ちることが少ない。皮肉ですが、今回のオールスター投票で、広島が最後まで優勝争いをすることを確信しました」
派手さよりも堅実さ。だが、最後に笑うのは自分たち。これこそが新井貴浩監督が目指す野球なのだろう。
(石見剣)