「アラシ隊員とフルハシ隊員って、やってらっしゃる時って、どういう演じ分けとか?」
俳優・タレントの毒蝮三太夫のYouTubeチャンネル〈マムちゃんねる【公式】〉でこんな質問を繰り出したのは、ウルトラマンフリークの落語家・柳家喬太郎だった。
毒蝮はTBS系で放送された特撮テレビドラマ「ウルトラマン」(1966年7月17日~1967年4月9日)ではアラシ隊員を、「ウルトラセブン」(1967年10月1日~1968年9月8日)ではフルハシ隊員を演じている。
「演じ分けね、しようと思ったんだよ」
と毒蝮が当時を振り返る。
「監督にね、メガネかけようとか、ヒゲをつけようとか、ホクロをどうのこうのしようかって言ったんだよ。訛りがあるとか、そうじゃないとおかしいんじゃないかって。だって半年後ぐらいに始まってるんだから。アラシとフルハシでまったく違う人間になってるんだから。そうしたらね、構わないよ、そのままいこうよ、ってみんな言うんだよ。それでそのままやってるうちに、子供たちが別の人だって…」
この告白について、当時を知らない若者の反応を拾ってみよう。
「ウルトラマンのアラシ隊員の印象が強い毒蝮さんですが、ウルトラセブンにも別隊員で出演していたのは初耳でした」
「同じキャラならアラシ隊員のままでもよかったのでは」
ちなみに「ウルトラマンシリーズ」は、本名の「石井伊吉」名義で出演していた毒蝮。のち演芸バラエティー番組「笑点」(日本テレビ系)の2代目座布団運びを務めると「隊員が座布団なんか運んでていいのか」といった苦情があり、途中で毒蝮三太夫へと変更。これが後々まで世間に親しまれる芸名になったのである。
(所ひで/ユーチューブライター)