トレードか、それとも現役ドラフトか。今オフ、日本ハムに清宮幸太郎の居場所がなくなるかもしれない。
清宮は今季、キャンプ直前の左足関節捻挫で出遅れたが、4月19日に出場選手登録された。ところが不振のため、5月6日に再びファーム落ちするなど、結果を出していなかった。
それでも7月9日の西武戦(ベルーナ)では延長10回、試合を決める今季1号を放つ。本人は今季83打席目の待望の一発に、
「やっと出ました。ファンの声援が最後のひと押しをしてくれた」
と話したが、置かれている状況は厳しいままだ。
甲子園のスターとして人気が先行していたが、それにも翳りが出てきた。日本ハムは開幕直後から一時、快進撃を続けたものの、それは清宮抜きでのこと。球宴ジャックしたように、他の選手の知名度は上がっている。球団的にはいつまでも清宮、清宮ではないのだ。
確かに華のある選手だが、7月16日終了時点で32試合に出場して打率1割7分5厘、9打点では、とても1軍に置いておくレベルにはない。現場もフロントも、扱い方に困り始めているのが現実だという。さる球団OBは言う。
「清宮はドラ1だし、注目の存在ですが、新庄剛志監督の期待値は下がる一方だと聞いている」
そこで持ち上がってきるのが、今オフの移籍話だ。球団OBが続けて展望を語る。
「吉田輝星をオリックスに出したように、今の日本ハムならやりかねない。トレード要員となれば、手を上げる球団はあるでしょう。ヤクルトや貧打の阪神は有力かもしれない」
仮にトレードがまとまらなくても、現役ドラフト要員として名を連ねる可能性は十分にある。阪神・大竹耕太郎や中日・細川成也のように現役ドラフト組で活躍している選手は多く、移籍してもイメージが悪くはならない。直接のトレードでなければ、獲得に乗り出す球団は多いだろう。
このままの状況が続けば、現役続行すら難しくなる。環境を変えてやるのが、球団にとっても清宮本人にとってもベターな選択なのかもしれない。
(阿部勝彦)