中日ドラゴンズをテーマにしたドラマを、地元の東海テレビが制作することが発表され、様々な意見が上がっている。
ドラマのタイトルは「バントマン」で、フジテレビ系全国ネットの「土ドラ」枠ということで、10月クール(全11話)で毎週土曜の深夜に放送される。
とにかく絶望的な貧打で万年Bクラス。「日本で最もつまらない野球」をやることで、半ば開き直り気味に観客数を増やしているドラゴンズだが、そんなチームをテーマにしたドラマが作られることには、中日ファンですら驚きでしかない。
高校卒業後にドラフト1位でドラゴンズに入団し、華々しいデビューを飾るスター候補が、ケガやスランプや家族を襲う不幸もあり、ついには戦力外通告を受ける。その後、一般企業で野球選手時代とは180度違う「バントマン」として、戸惑いながら奮闘するという感動ストーリー。その主人公を野球経験者の俳優・鈴木伸之が演じる。
すでに、鈴木がドラゴンズのユニフォームを着た宣伝画像が拡散されているが、コメントを求められた立浪和義監督は、鈴木のバッティングフォームを絶賛しつつ「なにより中日ドラゴンズと連続ドラマが初めてコラボしているので、期待は大きいですね」と話している。
ここで立浪監督に、ファンからの猛烈なツッコミが入る。スポーツライターは苦笑いだ。
「立浪監督がドラマを見ているかと聞かれ『監督になってからドラマを見ることが多くなりました。アクションものや韓国ドラマなどいろんなジャンルの作品を見ます』と答えたんです。それに対して、チーム状態に辟易しているファンから『ドラマをたくさん見てる場合か』と怒りのツッコミですね。同様の意見がかなり多かった。かつて、落合博満はドラゴンズの監督時代によく映画を見ると話していましたが、チームの成績が冴えないと何を言ってもツッコまれてしまうということでしょう」
また、珍しいドラゴンズのドラマということで、同じくチームの貧打と最下位争いに失望しているファンからは「ドラマの世界ぐらいたくさんホームランを見たい」「優勝争いしているチームを描いてほしい」と、脚本への切実な願いが…。
10月のドラマ放送時、プロ野球はクライマックスシリーズから日本シリーズへとつながるポストシーズンで盛り上がっているはずだ。そこにおそらくドラゴンズの姿はないが、ドラマが約束されていることはファンにとってせめてもの救いだろう。
(高木莉子)